ジム・ロジャーズが語った「不都合な事実」(2014年3月)
前述のようにジョージ・ソロスは、このアベノミクスを活用して10億ドルもの利益を上げました。ジム・ロジャーズも同様にアベノミクスを活用して儲けたことを明かしていましたが、2014年のインタビューでは次のようにも話しています。
現実をよく見れば、1億人を超える日本人のほとんどが幸せにならずに、一部のトレーダーや大企業だけが潤っている。
それが果たしてよい政策といえるでしょうか。
安倍首相の答えは「イエス」でも、多くの日本人にとっては「ノー」でしょう。
3月11日の会見で日本銀行の黒田東彦総裁は慌てて否定をしていましたが、いま日銀が追加の金融緩和をするのではないかと囁かれています。
これも馬鹿げた話です。
追加緩和を実施すれば株価が上がるので株のトレーダーはまた大喜びするでしょうが、多くの日本人にとってはコストアップという形でより首を絞められることになるだけです。
追加緩和への期待感がマーケットでしか騒がれていないことが、いかにも象徴的です。
ここでジム・ロジャーズは、彼の立場であれば別に言わなくても良いことまで、正直に話しています。
国民の大半が儲けられず、一部のトレーダーや大企業だけが儲けても、「税収増」には直接、繋がりません。「質的金融緩和」は、資本家や投資家のためにはなりましたが、国民生活の「質」は何ら向上しませんでした。
ピケティが導き出した「r>g」は、古代から続いており、政府も、古代から破綻を繰り返してきました。ジム・ロジャーズの主張は、現在の経済システムの抱える根幹的な問題を指摘しており、解決が難しいという現実があるのです。