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12月相場に「波乱」はあるか?無事クリスマスを迎えるためのポイント=児島康孝

12/2の米雇用統計発表後、相場は複雑な反応を示しました。やはり12月の乱高下はあるのでしょうか?これからクリスマス休暇を控えた欧米機関投資家の利益確定が相次ぎます。(『ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』児島康孝)

クリスマス休暇を控え、機関投資家の利益確定が相次ぐ時期に

利が乗ってイイ気分でいると、あっという間に…

これから、クリスマス休暇を控えた欧米の機関投資家の利益確定が相次ぎます。とくに為替は、動きが早いだけに乱高下に要注意です。

私も昔にやられたことがありますが、12月に利が乗っていてイイ気分でいると、あっという間に変化することがあります。

特徴的なのは…上げると見えて、下げるみたいなパターンです。これは騙そうというわけではないのでしょうが、上がったところで一気に利益確定をするというパターンです。何かの発表があって上げたところを、利益確定の場として待ち構えているというわけです。ですので、「本来こういう発表があれば、こうなるはずだ」というのが、逆に動くことが増えます。先日の米国雇用統計のドル円の動きを見ましても、動きは複雑です。

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年末、日本のデフレ脱却は…

これから年の瀬を迎えますが、日本のデフレ脱却は道半ばです。20〜30代の雇用が好転していて良い方向ですが、全体への波及が遅れています。

日本のデフレ脱却が遅れている要因は、いくつかあります。

要因のひとつは、日本の特殊な状況にあります。なぜ、日本の大企業は内部留保をたくさん抱えるのでしょうか。欧米では、敵対的買収にさらされているという事情があります。つまり、たくさんキャッシュを持っていると、会社ごと買収されてしまう恐れがあり、危険なわけです。日本企業は、雇用に関しては国際標準に習ってリストラを進めてきましたが、企業買収についてはまだ国際標準のレベルにありません。ですから、たくさん内部留保を持っていても丸ごと買収されるということは少ないため、内部留保をたくさん抱えるという日本特有の状況となっているのです。

もうひとつは、中・低所得者への給付が、世界標準になっていない点です。雇用は構造改革とリストラで世界標準になったわけですが、それに伴う失業や雇用不足への対応が日本は少ないため、デフレ要因となります。

アメリカのフードスタンプは、受給者4000万人といわれ、世帯月収が約25万円の場合、1人につき毎月100ドル分(1万円前後)が支給されます。低所得者対策というよりも、幅が広いわけです。中・低所得層の場合、これはそのまま消費されますから、景気の下支えにもなり、デフレ緩和効果があるわけです。欧米各国では、貧困層への生活給付も日本の数倍から10倍の規模で、これが欧米でのデフレの深刻化を抑制しています。

日本は、これまで終身雇用制が機能していたので、こうした給付が大規模でなくても社会がまわっていました。ですが、雇用を国際標準にしたため、こうした給付が必要になっているわけです。給付をしないとどうなるかといいますと、消費が減っていき、日本のデフレが世界で一番きついということになります。

Next: バーナンキ前FRB議長も指摘、アメリカの金利上昇は良いことだ

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