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トランプのブラフ「米国のいないTPP」が日本にとって朗報となる理由=房広治

トランプ氏が大統領就任初日にTPPを離脱すると発表した。これは日本の朗報になるシナリオだ。アメリカのいないTPPは、日本がリーダーシップをとれる良い機会なのだ。(『房広治の「Nothing to lose! 失う物は何も無い。」』房広治)

プロフィール:房広治(ふさこうじ)
アメリカ、イギリス、香港など主要金融センターで著名な日本人投資家。留学中に外資系銀行に就職し、わずか10年で日本のインベストメントバンキングのトップに。投資家転向初年度に年率リターン90%以上の運用成績を出し、ファンドマネジャー・オブ・ザ・イヤーとなる。

米国のいないTPPこそ、日本がリーダーシップをとるチャンスだ

トランプは日本にとって朗報

11月9日付の選挙速報後、東証の株価が下がっている中、「トランプ大統領は、日本にとって朗報」とのメルマガを配信した。その日のアメリカ市場で株価が上がり、日本の株もすぐ戻し、早速、メルマガの視聴者から、私の言っていたことがよくわかったというメールをいただいた。今はなんと18000円台を回復。トランプさまさまのようである。

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そんな中、トランプが大統領就任初日に選挙での約束通り、TPPを離脱すると発表した。これが、私の言いたかった、日本の朗報になるシナリオ。私が日本の政治家であれば、こう考える。アメリカのいないTPPは、日本を中心としたTPPとなり、日本がリーダーシップをとれる、良い機会なのだ。

考えてみてほしい。TPPというのは何かを。European Economic Community(EEC)という1957年に始まった、国をまたいだ自由な経済圏の創造。これは、国という人工的に作った、自由経済信奉者にとっては、大きな取引コストで、経済の発展を意図的にマイナスになる壁を取り払おうという実験。

誰でも分かる例としては、香港である。官僚組織を最小限にし、貿易に関税をかけずに100年たてば、地域のハブとなり、経済が他のアジアの規制のある場所よりも、発展した。EECはその後のEC、EUへと名前を変え、ソビエトを中心とした社会主義、または計画経済連合に勝った発展を遂げ、自由貿易圏の方が、官僚支配の計画経済よりも発展することを証明した。

アメリカは、ここから、「鎖国」に向かう。メキシコや中国からの自動車に多大な関税をかける。となると、アメリカ以外の国々と、アメリカよりも大きな自由化した経済圏を作ってしまえば、アメリカとの交渉を有利に進められる。

トランプはビジネスマンである。トランプは、ここでブラフを使っている。即ち、アメリカがTPPを抜けるとそれ以外の国々はバラバラになり、TPPが成立しない。4年後の選挙の時には、もう一度TPPをやろうと言い出す

即ち、今TPPをやれば、TPPはオバマ大統領の手柄になってしまう。ところが、いったん話をつぶして、諸国の元首が「トランプ大統領、お願いします」となると、TPPに参加するために、アメリカにメリットが必要だと、例えばアメリカの防衛費に対しての補助を日本に求める。日本は、長期的な経済的なメリットがあるのだからと、防衛費の補助を出してしまう。そして、それが前例となり、日米同盟が続く限り、日本がアメリカの防衛費を出すことになるのだ。

国際競争力がある2つの「日本産」

この記事がまぐまぐの編集者の目にとまり、私のメルマガを拡散してくださるという。他人とは違った視点なのだという。そこで気をよくした私は、25日金曜日の2つの会議で、この話題を出した。両方とも受けた。その一人は、クレデイセゾンの林野社長。2000年に社長に就任して、16年金融界に君臨している。頭がシャープなのだ<中略>

さて、日本の国際競争力のあるものを最近2つ見つけた――
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※本記事は有料メルマガ『房広治の「Nothing to lose! 失う物は何も無い。」』2016年11月24号他の抜粋です。只今「トランプは日本にとって朗報」シリーズも好評配信中、興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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房広治の「Nothing to lose! 失う物は何も無い。」』(2016年11月24日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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世界の金融市場・投資業界で活躍する日本人投資家、房広治による、ブログには書けないお金儲けの話や資本市場に通用するビジネスマン・社長のあるべき姿などを、余すことなく書きます。

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