誰がどう見ても勝ち馬はニューヨーク株式市場だ
日本という国が破綻し、日本民族が自滅しても、日本企業が巨大化して利益を世界中から吸い上げる構図ができているのであれば、日本の優良企業に投資する意味はそれなりにある。
しかし、日本の企業はROE(株主資本利益率)の低い非効率な企業が多く、さらに株主に報いるために高配当をする企業も数が少ない。
その上、数十年に渡って配当をきちんと出し続けたり増配したりする企業はかなり稀だ。さらに自社株買いをして1株あたりの利益を上げる努力をする企業もあまりない。
日本企業に長期投資するなら、こうしたハンディをすべて受け入れなければならない。
日本という国や社会が自滅しても、企業が利益を膨れ上がらせて株主に報いるのであれば誰も文句は言わないが、株主に報いる体質ではないのなら、なぜわざわざそんな企業に投資しなければならないのかを自分に問わなければならない。
ニューヨーク証券取引所に上場している世界に君臨する多国籍企業群は、すさまじいまでの利益率を叩き出して、配当を惜しげもなく配り、自社株買いで1株の価値を増大させている。
世界を変革するイノベーションはアメリカの多国籍企業から生まれており、そのために全世界の資金がそこに集まって株式市場の時価総額を膨れ上がらせている。
日本の株式市場は今もバブル期の日経平均3万8915円を追い抜いたことが一度もないのだが、そんな不甲斐ない状況を尻目にニューヨーク株式市場は現在、市場空前の最高値に達しているのである。
誰がどう見ても勝ち馬はニューヨーク株式市場である。
これからもアメリカの株式市場が資本主義の中心となるのが分かっているのに、なぜ老衰と衰退が見えている日本に資金を投じる必要があるのか。
長期で資産を膨らませることを考えているのであれば、さっさと日本の株式市場から資金を引き揚げて、勝ち馬が勢揃いしているニューヨークの株式市場に持っていくべきなのである。
日本円ベースの資産など持ってはいけない。貯金であれ株式であれ不動産であれ、いかなる形であっても日本円ベースの資産を持たないのが正解だ。