4月8日、ハローキティなどのキャラクターグッズの企画販売などを手がけるサンリオ <8136>が急落した。前場では一時85円高まで買われたものの、日経速報ニュースなどが午前10時頃に「株主優待の個人情報漏えいについて11時30分から会見を開く」と報道したことで売り優勢に転換。午前10時25分には前日の株価を大きく割り込む3150円まで下落した。
株主の情報漏洩でサンリオが記者会見
サンリオの会見によると8日午前、株主全体の約1割にあたる6249人分の個人情報が漏洩した可能性があるとのこと。株主のみが利用できるサイト「サンリオ株主ポイント倶楽部」の株主番号、氏名、住所、メールアドレスなどが外部に漏れた可能性があるとしている。
記者会見を開いたサンリオの江森進常務によると、情報漏洩の経路は調査中とのこと。発端は7日に株主から「サンリオの株主向けサイトにしか登録していないメールアドレス宛てに投資勧誘メールが届いた」と連絡があり、情報漏洩の可能性がわかったという。
情報漏洩で株価が下落するケースといえば昨年7月に発覚したベネッセホールディングスの事件が思い浮かぶ。この事件でベネッセは当初、情報漏洩件数は2070万件としていたが、事件の全貌が明らかになるにつれ件数は拡大。最終的には顧客情報漏洩件数を3504万件と公表した。
ベネッセの株価は、この情報漏洩事件が問題が発覚する前には4450円の高値をつけるなど好調だったが、事件発覚後は大きく売りが先行。3300円を割り込むまで値を下げた。
4月8日、12時30分現在、サンリオ株は急反発し、前日終値を越え、持ち直している。株主の中で、後手後手に回ったベネッセの時との違いを感じ取っているのかもしれない。いずれにせよ注視が必要だ。