「死の商人」として恐れられる米デュポン社は、決して万人に好かれる企業ではない。だが投資家にとっては、これほど長期投資に値する会社もない。なぜか?(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)
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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。
その奇怪な多国籍企業はアンダーグラウンドでビジネスを拡大する
「デュポン」とは何者なのか?
デュポンは1802年に株式上場した化学企業だ。
アメリカの南北戦争時、北軍と南軍の両方に弾丸を売って大儲けして以後、アメリカを代表する化学会社として君臨し、現在も年間25兆円以上もの売上を誇る凄まじい企業である。
今後、この企業はライバル会社だったダウ・ケミカルと合併し、さらに規模と売上と利益を拡大していくことになる。
この企業が株式上場した1802年というのは、今から214年前のことである。この長い年月、デュポンという企業はアメリカと世界の激動をずっと乗り切ってきたということになる。
210年近く事業が継続し、今後もさらに数十年に渡って世界の中核を担う技術を保持して利益を出し続けることが約束されている企業というのはめったにない。
デュポン一族も財団を作って税金逃れしながら、未だこの企業の株式の配当だけでヨットで海遊びして暮らしている。
株式市場が大暴落したら、黙って拾い上げて保持しておくに適した多国籍企業のひとつである。この企業は上場しているのだから、私たちも普通株式としていつでも手に入れることができるのだ。
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E.I. DU PONT DE NEMOURS<DD> 月足(SBI証券提供)
「嫌われ者」デュポン
ただ、この企業は決して万人に好かれる企業ではないのも確かだ。好かれるどころか、激しく嫌悪する人も多い。
消防服やフライパンのテフロン加工でも、この企業は重要な役割を果たしているのだが、こういった小さな社会貢献は逆にあまり世間に知られていない。