とはいえ、未だ日本はGDPの水準は世界三位だし、発展途上国に比べればまだ暮らし向きは良いし、このままでも構わないじゃないか――という気分が、わが国には漂っているように思います。
しかしここで忘れてはならないのは、未だ世界は「成長し続けている」という現実。
だから、もしも日本の「デフレ」が放置され続ければ、日本と諸外国との「格差」はさらに拡大していくことは必定です。結果として、日本経済の相対的地位はさらに「勢いよく」凋落していきます。
こちらのグラフをご覧ください。これは、日本のGDPシェアの変遷の円グラフです。
1995年から今日にかけて、日本のシェアは三分の一にまで低迷しているのは、先ほど紹介した通りですが、ここで重要なのは、今から25年後の、2040年の日本の予測シェア。
各国の「現状の成長」が続くとすればどうなるか――を予測するため、過去10年間のGDPの成長が各国において継続すると想定し、各国のGDPシェアを求めました。
結果、日本のGDPシェアは実にわずか2%台にまで、縮小してしまうこと示されました(ちなみに、この日本のシェアの推計値は成長率についての「単利」計算に基づくもの。「複利」計算の場合にはそのシェアは実に「1.7%」にまで縮退する結果となりました)。
もうこれでは、誰も日本を「経済大国」だなんて呼ばないでしょう。むしろ世界は日本を「後進国」だと見なしはじめ、日本人もそういう評判を粛々と受け入れていくことになるでしょう(例えば、GDPシェア2%前後といえば、今日では「メキシコ」が該当します)。