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安倍政権を共謀罪成立に駆り立てる「警察への借り」と「岸信介の亡霊」

成立が急がれている共謀罪。成立後の影響でひとつ言えることは、警察の力が強くなるということです。では、なぜ政権は警察に強力な武器を与えるのでしょうか。(『らぽーる・マガジン』)

※本記事は、『らぽーる・マガジン』 2017年6月5日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

祖父の「お役目」を継いだ安倍首相は、なぜ警察に武器を与える?

警察を強くする法案が次々と成立

なぜ共謀罪成立をこんなに急ぐのか、ずっと疑問でした。

すでに共謀罪が「パレルモ条約参加要件」だとか「東京オリンピックのため」という法案成立要件は崩れているにも拘らず、強行にこの法案を推し進めるのはなぜなのでしょう。

共謀罪が成立することで言えることは、警察の力が強くなるということです。政権は、警察の力を強めるために共謀罪成立を急いだのでしょうか。だとすれば、なぜ政権は、警察組織に強力な武器を与えたのでしょう。

最近、確かに警察に捜査の武器を与えるような法案が次々と成立していると、長年警察組織を取材してきたジャーナリストの青木理氏は指摘しています。

青木氏の指摘によれば、犯罪捜査のための通信傍受に関する法律(略称通信傍受法)の改正、特定秘密保護法、そして共謀罪へと流れができていると指摘しています。

「政権は警察に借りがある」田原総一郎氏の指摘

このことについて、ジャーナリストの重鎮である田原総一郎氏は、政権は警察に大きな借りがあるのではと述べています。「金権スキャンダル」のときの借りだと、田原氏は指摘しています。

さらに、安倍総理は尊敬してやまないおじいさん「岸信介元総理」の思いを継いでいるのでは、とも指摘しています。この田原氏の言葉を受けて、「昭和の妖怪」と呼ばれた岸信介元総理について調べてみました。

岸信介元総理ができなかったことを安部総理はやろうとしている、その象徴が憲法改正だと見る人は多いでしょう。

もうひとつ、岸元総理ができなかったことに「警職法改正」がありました。正式には「警察官職務執行法」というものです。

警職法とは、警察官の職務権限について定める法律で、不審尋問、予防検束、保護検束などを認めていた第2次世界大戦前の行政警察規則や行政執行法に代わる法律であり、質問、保護、避難などの措置、犯罪の予防および制止、立ち入り、武器の使用などの項目を設けて、それぞれについて厳格な要件を課しているものです。

岸内閣は警職法改正案を通そうとしましたが、大反対を受けて断念しています。その改正案では、法執行の重点を、個人の生命、安全、財産保護から「公共の安全と秩序」を守ることまで拡大するもので、それによって、警察官の警告、制止や立入りの権限を強化し、また「凶器の所持」調べを名目とする令状なしの身体検査や、保護を名目とする留置を可能にするという内容のものでした。

安部総理は、おじいさんができなかった憲法改正警職法改正、「公共の安全と秩序」の名の元に、国家や警察の力を強めようとしているような感じです。

岸内閣による警職法改正は、その前に日米安全保障条約改定第1回会談があり、安保改定に連動する動きであったとされています。

この流れ、なにやら今の安倍政権の動きそのもののような気もしますね。

通信傍受、特定秘密、共謀と、国民を監視するこれらの「キーワード」が、どうしても岸信介元総理の野望につながっているような気がします。憲法改正ができて、野望の完成になるのでしょうね。

Next: 安倍首相は岸内閣のやり残した「お役目」を引き継いでいる

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