日刊ゲンダイが、10月の暴落を予感させる悪材料を紹介している。1つ1つの材料は事実ではある。ではいつ起こるのか?本稿では巷の弱気論、強気論も踏まえて検証を試みる。(山崎和邦)
※本記事は、有料メルマガ『山崎和邦 週報『投機の流儀』(罫線・資料付)*相場を読み解く【号外・山崎動画】も配信』2016年9月25日号の一部抜粋です。バックナンバー含め今月分すべて無料の定期購読はこちらからどうぞ。
強気と弱気が交錯する株式相場、1つのメドは14,864円に?
10月暴落説の背景
先週号のメルマガ「(1)当面の市況 その1」で、裁定商内の買い残がリーマショック以来の低レベルとなり、売り残玉と買い残玉が、98年アジア金融危機以来18年ぶりに逆転した旨を述べ、投資家心理の冷え込みについて触れた。
それと同じことを根拠として、『日刊ゲンダイ』が、10月の暴落を予感させる悪材料を紹介している。
中身は何のことはない。前述の18年ぶりの逆転現象と、これも本稿が何度も述べてきた「1円違いのダブルボトム」つまり2月の14,866円と6月の14,865円、この「1円違いのダブルボトム」を取り上げ、これをもって、2月、6月、10月と4カ月周期で株価暴落がやってくるという周期説を展開している。
市場は過去を記憶して動くと本稿で何回も述べたが、その伝によれば、1929年「魔の木曜日」も10月であり、1987年「ブラックマンデー」も10月下旬であった。
また『日刊ゲンダイ』では、4カ月周期説の他に、以下についても述べている。これはもっともであり、本稿でも述べたことがある。
それは、ドルベースで見る限り、日経平均はかなり高いところに来ている、ということだ。ドルがこの半年で約20%下落したから、ドルベースで見た日経平均は約20%上の段階になる。つまり2万円近くの感覚だ。
NYダウは年初から7.7%上昇したが、ドルベースで見た日経平均は8%を超える上昇となっている。 9月下旬は日米ともに金融政策決定会合を控えているので動きにくい。海外投資家は11月のヘッジファンド決算に備えて「45日ルール」に従って10月に売る――
以上が『日刊ゲンダイ』が大々的に報じている10月暴落説の内容である。
1つ1つは事実ではある。ではいつか?
米雇用統計が発表される10月7日、または、イエレン議長の発言が予想される14日あたりであろうか。 2月と6月を考えると、14,864円が1つのメドにはなる。日刊ゲンダイを待つまでもない、日本市場は海外要因で崩壊する危険性は常に持っている。