ヒラリー卒倒事件、米大統領選に与える影響は?
9.11の卒倒事件を、米国民はどう見ているか。
ワシントン・ポストとABCが9月13日までに行った世論調査では、クリント氏支持が46%で、トランプ氏支持は41%です。5ポイント(20人に1名)の差があります。
その中でも、大統領選に投票することを登録した有権者においては、クリントン支持45%、トランプ支持35%で、差は10ポイント(10人に1名)に広がります。
CNNとORCの調査ではクリントン支持45%、トランプ支持43%で、拮抗しています。ワシントン・ポスト紙の世論調査は、民主党支持が数ポイント上回る傾向があるという。
ただ、クリントン氏が本当はパーキンソン病だと広がれば、どうなるか。大統領の病気は「強い米国」には似合いません。
ジュリアン・アサンジのウィキリークスは2016年10月、米国の外交機密文書から、クリントン陣営に決定的な打撃を与える情報を公開するともいう。
選挙は11月8日です。上下院があるキャピトル・ヒルでの就任式は1月になる。芝生に覆われた小高い丘に、白い建物が建っています。
9.11の卒倒事件から、トランプ大統領を想定しなければならないようにも思えてきました。市場はまだ、「クリントン大統領」を想定して動いています。トランプ大統領となれば、英国のユーロ離脱の国民投票よりも大きなショックが起こるでしょう。
「トランプ大統領」誕生なら市場はどう動くか?
(1)円は90円台前半にまで上昇し、ドルは下がる可能性があります。トランプ氏は、現在のドル高が米国産業にとっての問題と発言しているからです。
(2)世界の株式市場は「トランプショック」で急落する可能性があります。利上げと金融引き締めを仄めかしているからです。
もっとも、トランプ政権になった場合、実際にドル安政策が取られ、利上げと金融引き締めが行われるかどうかは不明です。一般論で言えば、米国の利上げはドル高要因であり、利下げがドル安要因だからです。
また、ドル安政策や利上げが本当に実行されたとして、その株価への影響は、あとで反発する短期的なショックで終わるか?それともリーマン危機のような全面崩壊の引き金になるのか?その点は、当方も読めません。引き続き情報収集します。
リーマン危機以降、世界の株価と不動産価格は、中国のように当局が強く関与する「政治的」な相場になっています。
日本では、日銀や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、郵貯・かんぽによる、直接的な株買いがありあます。これらが「政治的」と言う所以です。