これまでリスク局面では金利が低下(=価格上昇)していたドイツ国債に異変。先進国の国債が売られる場合に注意すべき点について解説します。(『ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』児島康孝)
ドイツに危険シグナル。景気回復を伴わない悪い金利上昇の恐れ
国債利回り上昇
ロイターが、次のニュースを伝えています。
※ドイツ国債利回り上昇、金融政策めぐり不透明感=ユーロ圏市場 – ロイター 2016年09月13日
日本・ドイツ・アメリカなど先進国の国債は、リスクが高まるとリスク回避(逃避)需要で買われ、景気が良いと売られやすいのが特徴です。
ドイツの景気が上昇してドイツ国債が売られ、株式などに資金がシフトする場合は良いのです。しかし、不透明感がある中で先進国の国債が売られる(=利回り上昇)というのは、あまり良くありません。
ドイツでは、先日、メルケル首相が国民に食料の備蓄などを勧めたばかり。ウクライナで、ロシアとウクライナ(=NATO側)の緊張も高まっており、何らかのリスクが懸念されていると考えられます。
2つのリスク
先進国の通貨と国債について、おさらいしておきましょう。先進国の通貨や国債は、経済危機が生じたりリスクが高まると、買われやすい特徴があります。途上国の場合はこの逆になります。
日本の場合も、危機や不況の時は、日本国債が買われ(=金利低下)、円が上昇します。ですから、先進国の日本で何かあると円高になったり、日本国債が買われている間は問題がないわけです。ところが、リスクがあるときに、日本国債が売られるとか、円が売られる場合はかなり危険です(現状では全くそのような懸念はなく、円が強すぎるわけですが)。
つまり、リスクの時に通貨や国債が売られるのは、先進国としての地位を失うか、戦乱などの大きな異変がある場合ということになります。このため、ドイツの金利が上昇(=ドイツ国債が売られているというのは、景気が回復していることを示す場合は良いのですが、そうでない場合は、よほどの異変が起きつつあるということになります。
ドイツ国債の行方には、注意が必要でしょう。
『ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』(2016年9月13日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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