北朝鮮は3月15日、太陽節の軍事パレードで大陸間弾道ミサイルを披露しました。西側情報筋はこれを「張子の虎」と見ていますが、日本が何より無視できないのは北朝鮮が保有する生物・化学兵器の脅威です。(『カレイドスコープのメルマガ』)
※本記事は、『カレイドスコープのメルマガ』 2017年4月16日第203号パート3の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
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金正恩が再び核実験を行えば、米国は必ず軍事的解決に踏み切る
北朝鮮ナンバー2「我が国流の核攻撃で反撃する」軍事パレードで
北朝鮮は昨日2017年3月15日、故金日成(キム・イルソン)主席の生誕105年(太陽節)に合わせて平壌で軍事パレードを行い、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を披露しました。
この新型ICBMは、2012年の軍事パレードで、すでに披露されているKN08やKN14より大きいと見られていますが、西側情報筋は「張子の虎」と見ています。
問題は、昨日の軍事パレードで、北朝鮮のナンバー2が、「我が国には全面戦争には全面戦争で応じる用意があり、核攻撃を受けた場合、“我が国流の核攻撃で反撃する”用意がある」と述べたことです。
北朝鮮の新型ICBMは、間違いなくハワイや北米には届かないでしょう。しかし、“我が国流の核攻撃で反撃する”という意味が、韓国の軍事基地への核攻撃を示唆していることは明らかです。
いずれにしても、朝鮮半島は戦時体制に入ろうとしています。
最悪の事態は「ソウル壊滅」と「日本への大量難民」
日本の自民党は、トランプのシリア空爆に対して今回もいち早く支持を表明し、北朝鮮の半島有事についても、日米韓の3国連合による防衛を主張しています。
日本についての脅威は、「北朝鮮の工作員による原発の爆破」あるいは「国籍不明のゲリラコマンドによる破壊工作」です。通信インフラや電力網の破壊によって、都市部ではパニックが誘発される可能性があります。
そして、何よりも無視できないのは、北朝鮮による生物・化学兵器です。
日本の防衛白書(2002年度版)には、「(北朝鮮の)化学兵器については既に相当量の化学剤を保有し、生物兵器でも一定の生産基盤を有している」と書かれています。
これは、米ソ冷戦時代に、ソ連の天然痘ウィルスが大量に北朝鮮に流れたとする確かな情報に基づいています。
また、韓国でテロ等による原発災害が起こった場合、西日本に2800万人の避難民が押し寄せる脅威も考えておかなければなりません。
自民党の石破茂氏は、今月9日、宮崎市で開かれた石破派の地方セミナーの講演で、「ソウルは火の海になるかもしれない。何万人という同胞をいかにして救うかが問題だ。韓国在住の日本人救出に向けた態勢強化に取り組むべきだ」との考えを示しました。
一方の山本一太元沖縄北方担当相は、フジテレビの番組で「米国が北朝鮮を攻撃する可能性は低い。理由として、米軍が北朝鮮への軍事行動に踏み切れば、日韓両国が核攻撃を受ける可能性がある」と説明しました。
政府は、じわりじわり真剣に危機感を抱き始めており、自衛隊の神経は、ピンと張り詰めています。しかし、我が国のトップは、自ら主催した「桜を見る会」に芸能人やスポーツ選手を招いて上機嫌。
さらに、肝心の稲田朋美防衛大臣は、ゴールデンウィークの長期休暇を利用して、外遊の計画に浮き足立っているというのですから、命がけで国防に当たっている自衛隊の士気低下を招く危険性さえ出てきています。
日本にとって本当の脅威は、政権与党が本気で国民の命と国土を防衛しようとしていないことです。