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「早く大地震が来てほしい」築古マンションが直面する苛酷な現実とは=廣田信子

首都圏直下地震が来たらどうするって言うけど、
大地震で建物が大きく壊れたら、
その時は、公費で解体してもらえる。

地震保険にも入っているからお金も入る。

解体して土地を売却するのも特別多数決議でできる。

まとまったお金をみんなで分けて
新しい出発ができる。

今後30年のうちに大地震がくる確率80%と言うから、
30年後ぐらいに大地震が来て、
建物が適度に壊れて公費で解体となれば、
解体費用の心配もしなくていい。

耐震改修にお金をかけて
最後の解体費用まで自分たちで工面しろと言われるより
よほど将来の見通しができる。

大地震で大きく壊れたら、
その時は公費解体して清算してやりなおそう…って
管理組合でも話しているよ。

市場価値を維持できないとかいうけど、
500万円かけて耐震改修しても、
500万円市場価値が上がるとは思えないし、

多くの組合員は、自分が生きている間は売らないから
関係ないんだよ。

耐震性が不足している状態のまま、築80年を目指して再生に向かっていくのは難しいから、将来計画のためには、耐震性の確保を避けて通れない…とセミナーで話をする私に対して、現状の本音の話をしてくれたのだと思います。

この理事長の話をとんでもないと否定できますか?

大地震が来てマンションが壊れれば、公費で解体してもらえて、清算してやり直せる…と言わせてしまうぐらい、未来に大きな不安を感じている高経年マンションがある…。

その現実を分かっていても、今の法制度の元では、せいぜい、耐震改修の助成金を活用して耐震改修をして再生に舵を切りましょうと言わざるを得ないことを苦しく思いました。

耐震改修の費用が捻出できなくて困っているマンションに、将来の解体費用を今から積み立てましょう…なんて言えないです。

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まんしょんオタクのマンションこぼれ話』(2016年8月23日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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