またも中国経済の危うさが露呈したようです。無料メルマガ『石平(せきへい)のチャイナウォッチ』によると、現地経済誌が「民間投資の激減」を伝え、中国国内でも大きな話題になっているとのこと。実際に、今年上半期に全国の民間企業が行った「固定資産投資の伸び率」は16年ぶりの低水準でした。この最大の原因は、習近平政権の無謀すぎる政策にあるようです。
ゾンビ化で延命を図る中国国有企業のウラで急速に冷え込む民間投資
国内総生産(GDP)の6割以上を占める民間企業の投資が激減中
7月下旬あたりから、「民間投資の急落」が中国国内で大きな話題となっている。一部経済紙は「民間投資、断崖絶壁からの急落」という切迫した表現を使っており、事態の深刻さが伝わってくる。
7月18日の国家統計局発表によると、今年上半期において、全国の民間企業が行った固定資産投資の伸び率は前年同期比で2.8%であった。2015年のそれは10.1%だったから、単純に比較すると、伸び率は昨年の3分の1以下に落ちたことになる。
12年まで民間企業による固定資産投資の伸び率は毎年平均25%前後であった。今や民間企業が競って投資を行い、生産拡大をはかるような「黄金時代」は往時の伝説でしかない。
今年上半期の「2.8%」の伸び率は16年ぶりの低水準であり、上半期最後の6月の伸び率はマイナス成長の0.01%減に転じた。これを見ても民間企業の投資意欲が急速に冷え込んでいることはよく分かる。
今の中国で民間投資は全固定資産投資の62%程度を占めており、民間企業が国内総生産(GDP)の6割以上を作り出している。民間企業の投資が激減したことと、民間企業が拡大再生産への意欲を失っていることは、中国経済にとっての致命的な打撃となろう。