景気と金利の関係
経済には「好景気」と「不景気」の時期があり、これらは交互に訪れます。銀行の立場に立って、この交互に訪れる景気が良い時・悪い時のそれぞれの場合において、どう行動しているのかを想像してみましょう。
景気が良い時は、企業も個人もお金を借りるために銀行に殺到します。こういう場面において、銀行は貸し出し金利を下げるでしょうか?それとも上げるでしょうか? 好況期の銀行は殿様のようなものです。貸出金利を上げても資金を借りてくれるので、多くの利益を出せます。
反対に不況期になると、みんな、銀行に寄り付かなくなります。貸出金利を思いっきり下げても、誰もお金を借りてくれないという厳しい時期になります。
- 好況期に入る→金利が上昇する
- 不況期に入る→金利が下落する
債券価格と金利の関係
金利というのは、債券価格によって決定します。金利と債券価格はちょうどシーソーのような関係になっています。
上記の図を例にすると、表面価格100円、表面利回り3%で売りに出された債券は、市場金利が4%に上昇すると3%の債券の投資魅力が薄れるので、債券価格が下落します。反対に市場金利が2%に低下すると、3%の債券の投資魅力が上がるので、債券価格が上昇します。そのため、次のような関係が成立しているのです。
- 金利が上昇する→債券価格が下落する
- 金利が下落する→債券価格が上昇する
先程の景気サイクルの話とドッキングさせると、次のようなイメージになります。
- 好況期に入る→金利が上昇する→債券価格が下落する
- 不況期に入る→金利が下落する→債券価格が上昇する