今週の日本市場は欧米市場動向を見ながら戻りを試す展開に。英国EU離脱はリーマン再来ではなく一過性のショックであり、為替も株価も先週末が安値となる可能性もあります。(清水洋介の株式相場展望 -週報-)
今週の株価展望~各市場テクニカル分析と予想レンジ(6/26)
今週の相場見通し
米国市場
先週の米国市場は英国のEU(欧州連合)離脱の国民投票を控えて上値は重かったのですが、残留優勢となって買い直され、週末は逆に離脱が決まったということで大きな下落となりました。
英国のEU離脱が米国に対して影響がどうしたとか、特に何がどうなるということで売られたわけでなく、ショック安となったものと思います。
今週の米国市場は堅調な地合いが期待されます。経済指標の発表に反応するというよりは英国やEU首脳の発言などに振らされることになりそうです。それでも、利上げが当面ないのではないかという見方などが好感されて、先週末の大幅下落の反動もあって堅調となりそうです。
今週は火曜日にGDP(国内総生産)確定値やS&P/ケース・シラー住宅価格指数、水曜日には個人消費支出・個人所得、NAR仮契約住宅販売指数が発表になります。木曜日は新規失業保険申請件数やシカゴ購買部協会景気指数、週末はISM(米サプライマネジメント協会)製造業景況感指数や建設支出が発表されます。
日本市場
先週の日本市場は週末に大きな下落となりました。それまで英国のEU離脱がないという見方が強まって切り返していたところだけに失望売りが嵩んだものと思います。それでも多分に売られ過ぎという面もあり、また2月安値水準でしっかりと下げ止まりました。
今週は欧米市場動向をみながら戻りを試す動きになると思います。目先的な材料でのショック安だけに改めて業績面などを見直すと買い直す動きもあると思います。為替も落ち着いて来るものと思われ、為替や海外の影響を受けにくいものから買い直されそうです。
政府・金融当局高官の発言などに敏感に反応することも多いと思います。ここは悲観的になりすぎることはないと思います。リーマンショックのようにはならないと思いますし、一過性のショック安で為替も株価も先週末が「安値」となった可能性もありそうです。すぐに企業業績などに影響があるということでもないですし、実際に離脱となったとしてもそれまでには対処できるでしょうし、実際に離脱をするかどうかも怪しいものだと思います。
今週は水曜日に商業動態統計や貿易収支が発表され、木曜日には鉱工業生産指数、自動車輸出台数、自動車生産台数に住宅着工統計が発表されます。金曜日は日銀短観や家計調査、完全失業率や有効求人倍率、消費者物価指数(CPI)や消費動向調査、新車販売台数や軽自動車新車販売台数が発表されます。