英EU離脱で株価暴落。アベノミクスからの離脱(アベグジット)は起こるか
残念ながら、野党もメディアも、こうしたアベノミクスの「罪」を質すことなく、この路線が継続されようとしています。与党の「成果」をうのみにしたのか、24日の主要紙はこぞって「与党が3分の2をとる勢い」と書きました。
一見、聞こえの良い「経済」を前面に出し、成果を吹聴して選挙で大勝したあとは、経済そっちのけで改憲に向かうのが目に見えるようです。前回、前々回の選挙も消費税延期、アベノミクスの信を問うと言って選挙に勝ち、真っ先に秘密保護法、安保関連法案を押し通した実績があります。
さて、国内ではもはやこの流れを止める力がないとして、「見えざる神の手」が動いたのかもしれません。先週末に英国が予想外のEU(欧州連合)離脱を決定したため市場が混乱、選挙を前に為替は一時1ドル100円を割れる円高になり、日本株も日経平均で1200円超の大幅下落となっています。
アベノミクスの「成果」の生みの親とも言える円安・株高が、皮肉にも選挙前の大事な時に吐き出されようとしています。アベノミクスは表面的な円安・株高だけに支えられたものであり、実体経済に副作用や多くの罪をもたらしていることを露呈させかねない緊急事態です。
今回の英国のEU離脱(ブレグジット)は、アベノミクスからの離脱(アベグジット)を導くことになるかもしれません。7月10日の参院選まであと2週間あまりです。
本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2016年6月26日)
※太字はMONEY VOICE編集部による
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金融・為替市場で40年近いエコノミスト経歴を持つ著者が、日々経済問題と取り組んでいる方々のために、ホットな話題を「あらかると」の形でとりあげます。新聞やTVが取り上げない裏話にもご期待ください。