ロバート・キヨサキ「QE4を実施するかどうかは大きな問題だ」
Market Watchに彼が語ったことは、「実態的な人口統計と世界的な経済の弱さが相乗して市場の大規模な崩壊を回避不能にしている」ということです。
連邦準備制度理事会(FRB)は、もう1ラウンドの量的緩和で2016年の崩壊を一時的にではあるものの、食い止めることができるかもしれません。何より、それは経済を刺激するので。
イエレン議長は3月の会議でよりハト派になりました。「ドル高は米経済の重荷」との発言が海外投機筋を誘い込んで、円高ドル安が進んだのです。
利上げに強気だったニューヨーク連銀のダドリー総裁でさえ、「海外の経済成長が弱いことに起因するリスクを考えると、利上げは慎重に進めるべきと穏健派に変わりつつあるものの、イエレン議長は依然として「段階的利上げは適切」と、これまでの姿勢を崩していません。
「QE4(量的金融緩和第4弾)を実施するかどうかは、大きな問題だ」とキヨサキは言いました。
「QE4が実施されれば、株式市場は唸り声を上げて戻って来るでしょう。しかし、お金を印刷するのを止めるならば、それは失速して墜落します。結局、どうであれ、最後は墜落するのです」
イエレン議長は、3月30日のニューヨーク講演で、「フェデラルファンド(FF)金利がゼロ近辺に戻るとしても、(FRBは)追加緩和を打ち出す余地がかなりある」と余裕を見せているところを見ると、なんとしてでも「アメリカ発の金融危機」は避けたい模様です。
誰が何を言おうと、実際、世界経済はかなり弱くなっています。
最大の懸念材料である中国のもう一段の景気減速を別にしても、ブラジルは景気後退に突入し、イタリアの銀行システムは、完全にメルトダウンの過程に入りました。
そして、日本は、日銀のポンジ・スキームを延命させようとして、とうとう禁じ手であるマイナス金利を導入したものの、ほとんど機能していません。
官邸が何を言おうとも、現実は日本の工業生産は、まさに、2011年の津波の年の水準から一向に脱出する気配を見せません。
アメリカでは、イエレン発言によって株がここ数週間に大幅に反騰したので、投資家はプチ安泰相場に気を緩めています。
ジェームズ・リカーズ(James Rickards)は、「このリバウンドは一時的なものだ」と、投資家たちに警告心を解かないよう注意を喚起しています――
「カレイドスコープ」のメルマガ2016年4月11日号(第151号パート2)では、この続きとして、以下の内容を詳しく解説しています。
「金を保有しなさい」ジェームズ・リカーズ
「すぐに一塊のパンに25ドルも支払わなければならなくなる」ドナルド・トランプ
「米国企業の社債はデフォルトリスクに晒されている」アルバート・エドワーズ
大不況が襲う前には企業の収益がピークに達する……では日本の大企業は
※ジェームズ・リカーズ
CIAや国防総省、FRBから助言を求められることもしばしば『通貨戦争 崩壊への最悪シナリオが動き出した!』著者
※アルバート・エドワーズ
ソシエテ・ジェネラル ストラテジスト
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『「カレイドスコープ」のメルマガ』(2016年4月11日号第151号パート2)より一部抜粋
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