デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』 - まぐスぺインタビュー
①他のメディアには出ない河合さんの本音が読める
②生き方・働きかたを考えるきっかけになる
③河合さんに直接質問ができる
元ANA国際線のCAであり「ニュースステーション」の初代気象予報士としても知られる河合薫さん。現在は健康社会学者として大学で教鞭をとるだけでなく、執筆や講演、コメンテーターなども務めている。そんな河合さんが2016年11月に『デキる男は尻がイイ-河合薫の「社会の窓」』というメルマガを創刊した。一風変わったこのメルマガタイトルに込められた意味とは?そして河合さんが研究する健康社会学とは?ご本人にたっぷりとお話を伺った。
――2016年11月に創刊した河合さんのメルマガですが、まずはメルマガを始めようと考えたきっかけを教えていただけますか?
河合:色んなサイトで文章を書かせてもらっているのですが、もっと読者と正面と向合いたかった。無料で誰でも読めるコラムだと、いい意味でも悪い意味でもコメントが荒れます。本当は「自分」の問題なのに、他人事になりがちなんです。
私がやっている健康社会学にある「健康」っていうのは、別に肉体的なことだけじゃなくて、社会的健康であり、あるいは精神的健康でもあるんです。つまり、誰もが「こうありたい」と思う姿を追求する社会学ですから、全ての人にとって足元の問題を専門にしてるんですね。だから自分のコラムに対しても、「河合さんの窓からはそういうふうに見えるけども、自分の窓からはこういうふうに見えるよ」っていう意見をもっと聞きたい。そして、書いて終わり、ではなく、そのコメントを読んだ人も私も「ああ、そういう意見もあるよね」と学び、「でも……」といった議論が活発にできるようなプラットホームを持ちたいっていうのは、以前からずっと思ってたんです。
社会にある問題って、小さなことからコツコツとやっていかないと解決しないんです。過労死の問題も育児の問題も介護の問題も、「明日は我が身」です。GDPやら経済成長、トランプ大統領就任で世界はどうなるだとか、そういう大きな問題ばかりがよく取り沙汰されますけど、みんなが本当に苦しんだり不安やストレスを感じてることって、やっぱり自分の足元の問題。今日どうするか、明日どうするかっていうことですよね。そういった問題について、自分が発信するだけじゃなくって、色んな人からの意見を聞きたいし、みんなにちゃんと考えてもらいたいっていう気持ちはすごくありました。
――より濃厚なやりとりといいますか、真剣度の高いリアクションを求めて、ということでしょうか?
河合:真剣というよりホンネ。普段書いているメディアでは書けない、ここでしか言えない私の本音の部分みたいなものも書いていければと。……例えば今こうしてインタビューを受けている時は、「河合薫スイッチ」が入ってるんですけど、そのスイッチを切った時の私は、皆さんと同じようにすごい不安を抱えていたり、悔しい思いをしたり、あるいは泣くこともあれば、怒ることもある、キレることもある。そういったこともちゃんと書いていくことで、同じような問題を抱える人たちが「なんだ、河合薫もそうなんだ」「私もこれでいいんだ」と思ってくれたりとか、そういったことも分かった上で向き合えればって思ったんです。
――そういった思いで始められたメルマガですが、実際に始めてみていかがですか?
河合:自分でハードルを上げ過ぎちゃって、もう大変です(笑)。ワンコインで気軽に読めるものをっていうことで始めたんですが、お金を出してもらう以上は、ちゃんと価値があるものを、役立つようなものを、ちょっと笑えるものをって、読んでくれる人の顔を思い浮かべて考えていたら、結構なボリュームになってしまって……。
一番最初にメルマガを出した後は、「こんなのずっと1人で続けていくの無理」って泣きそうになってたんですけど、そんな私を見透かしたように「ちゃんと読んでますよ」っていうメールがすぐに来て。救われたし、本当にうれしかった。涙がぼろぼろ出ちゃうぐらい。その後も、配信を重ねるごとにすごいボリュームの相談なども届いたりして……。掲載するために短くするのが大変なんですが、うれしい悲鳴です。読者のホンネのグチャグチャの相談がモチベーションになってますね(笑)。
――ところで『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』というメルマガのタイトルですが、とてもインパクトがありますよね。一体どういう経緯で決まったんですか?
河合:デキる男って、本当に尻がいいんですよ。プリッとしてるってことじゃないですよ(笑)。例えば一緒に仕事してて「この人デキるな」とか「手ごたえのある人だな」って思う方っているじゃないですか。そういう人って、立ち上がってドアから出ていったりとか、「じゃぁ、また」って言って後ろを振り向いた時に、お尻が絶対にいいんです。鍛えてるお尻というわけではなく、キュッとしてるというか、周りの空気も含めてぼよよーんとしていないというか。……説明がしにくいんですけど、お尻の雰囲気が必ずいいんですよ。
そういう人は、お尻だけじゃなく、例えば仕事の締め方がキレイだったり、メールのやりとりがよかったり、お金の払い方がよかったりと、そういった色んな意味での尻がいいんですよね。……そんな話を打ち合わせのときにしていたら、まぐまぐのスタッフが「タイトルはそれでいきましょう」ってことになったんです。
でも、これって健康社会学とも通じるところがあるんです。お尻って、回りの人には見られるけど、自分じゃ見えない。健康社会学は、自分自身をとりまく周りの環境から「自分」を捉える学問なんですね。「社会の窓」を通じて自己を見つめます。……「尻」と「社会の窓」なら、前と後ろっていう意味でもイイかなって。ただ最近は「社会の窓」はすっかり死語ですから、30代後半の人じゃないとピンと来ないみたいなんですよ(笑)。
①他のメディアには出ない河合さんの本音が読める
②生き方・働きかたを考えるきっかけになる
③河合さんに直接質問ができる
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