大ヒットメルマガの著者・二人が2014年からの生き方を本音で語った
新春のプレゼントとして、まぐまぐの有料メルマガ会員にだけ、限定で配信された夢の対談を特別大公開! 不安な時代をサバイブするために、二人の大ヒットメルマガは全読者必見です!
不安を感じている今こそ、圏外に向けて飛び出す最後のタイミング
高城:あれ痩せた?(笑) 今の方がいい感じじゃない。
堀江:今は……あれですけど。
高城:ちょっと戻ったってこと?
堀江:そうですね。
高城:でも、今くらいの方が体調はいいんじゃない?
堀江:体調はいいです。
高城:だからいいじゃん。このままキープしていけば。
堀江:それが難しいんですよ。
高城:難しいの!? なんで?
堀江:いや、難しいですよ。
高城:太っちゃうってこと?
堀江:忙しくなると、だめなんですよ。
高城:太りやすいってこと?
堀江:はい。
高城:ストレス?
堀江:いや、忙しくなると、運動しなくなる。運動しないとダメなんですよ。高城さんは、海外とかにいる時はどうしてます? どこで運動してるんですか、走ってるんでしたっけ?
高城:基本的には、DNA検査して、それに合うように運動をしている。体質ってみんな違うわけじゃない。それなのに、自分の体質とか自分に合う運動ってどうやってわかるのよ? ほとんどのトレーナーは見て適当に言ってるだけじゃん。だからDNA検査をしてから運動をしている。
堀江:僕は、代謝を上げる系の運動の方があってるんで。
高城:でも、先に有酸素運動をした方がいい人と、無酸素運動をした方がいい人と、体質によって違うんだよ。それがDNA検査をすればわかるんだよ。将来、この人はどんな病気になりやすいとか、この部分が弱いから補強しようとか、バランスを見て全部が出る。2~3万円くらいでできるよ。一番安いのは5千円くらい。
堀江:僕も3~4年前にやりました。
高城:そうすると、自分に向く運動方法が分かる。それに沿って、食べ物をとったり、運動したりする。
堀江:でも、僕は、食べ物をコントロールできませんからね。まあ、夜だけですけど。昼間はコントロールしてますけど。
高城:確かに食べ物は問題だよね。しょせん入力と出力しかないわけだから。どうやって入力して、どうやって出すかだけじゃない。僕は、玄米を凄い食べるから、海外に行っても玄米ばっか食べてる。
堀江:炊飯器も持って歩いているんですよね。
高城:でも、夕食はどっか行ったりとか、おいしいもん食べるよ。
堀江:メルマガで読んでますよ。
高城:ありがとうございます(笑)。
堀江:高城さんがメルマガに書いている近況を見て、なんでこんな色んな所にいるんだろうなぁと思っているんです。
高城:ま、仕事半分、遊び半分。
堀江:僕も行きたいんですけど。今は本のキャンペーンをやってて、ずーと日本にいなきゃいけない。1ヵ月の半分くらい東京にはいないですけど。
高城:どこにいるの? 日本中を回ってるの?
堀江:日本中です。それと、やっと今日、これです(パスポートを出す)。
高城:出たんだ(笑)。パスポートが取れた日~おめでとう~(笑)。
堀江:ホントにやっと(笑)。7年ぶりに10年パスポートがもらえましたよ。
高城:これまでは海外に出る時は、毎回作っていたの?
堀江:8ヵ月有効の限定パスポートなんで、実質アジアとかに行くときは2ヵ月しか使えなくて。毎回、毎回申請を事前に出さないといけないので、面倒くさくて。ここ2ヵ月くらい、海外はどこにも行ってなかったんです。
高城:これで行けるじゃん。
堀江:今月から行きます。
高城:でも、パスポートは10年は持たないでしょ。適当に無くなったほうが便利じゃん(笑)。VISAを貼り付けたりするから、一杯になっちゃうし。そういえば、昔一緒にタイに行ったよね。飛行機買ったっていうから、どこ行こうかって聞いたら、タイに行きたいって言うから。
堀江:ええ。タイはもう庭みたいなもんなんで。シンガポールも、投資ファンドもやってるし。シンガポールとタイは凄くよく行くんですけど。
高城:行くなら島がいいんじゃないかな。
堀江:サムイ島は行きましたね。ピピ島とか、クラビ島とか。ただ、津波の一週間後に行く予定があったんですよね。クラビ島に行く予定で危なかった。
高城:行くんなら、サムイあって、パンガンあって、タオあって、その先。
堀江:僕、その先知らないです。
高城:その先のナンユアンが結構いい。もちろんタオもいいけど、その先がやっぱりいい。ピピ島キレイだけど、ピピ島とか観光客が多くなっていて、今は環境問題とか一応言ってるけど、入場料みたいなのを取られて、結構しらけるんだよね。
堀江:でも、ホント、高城さんはいつも違うとこにいますよね。
高城:え! 今日は、東京だよ(笑)。
堀江:そうですけど(笑)。
高城:先週は沖縄。仕事柄いろんなとこに呼ばれる。てか、遊びも半分以上(笑)。
堀江:そうだ! 僕「テリヤキ」というアプリを作ってて、今、日本だけなんですけど。
高城:料理の写真が載ってるんだ。
堀江:写真と一言コメントだけ。でも、18人のキュレーターだけは書き込める。
高城:「食べログ」的なものとは違うと。
堀江:「食べログ」じゃないです。「食べログ」なんて、星の意味がよくわからない。めんどくさいんで、「テリヤキ」では星もつけるのは止めました。
高城:アメリカだと「Yelp(イェルプ)」みたいな感じかな?
堀江:「Yelp」ですけど、「Yelp」は、結構、書き込みができる人がいるんですよね。これは皆で書けないんです。
高城:特定の人しか書けないと。
堀江:そうです。だって特定の人しか書けなくても、この人達、年間500件くらい回ってますから。
高城:食のプロの人たちが書いてるんだ。
堀江:プロの人ももちろんいますけど、本当に好きで好きでしょうがない人たちだけですね。たとえば、ミシュランだって、結局は給料をもらった調査員が調査しているわけじゃないですか。「テリヤキ」に書いている人達は、給料ももらってないんで。
高城:好きで行ってるのね。
堀江:好きで行って、好きで書いてて、それにプライドを持ってるから。恐らく、日本全国で2000件くらいにしかならないんですけど、それを検索できたら凄くよくて。これを世界中で作りたいんです。そしたら、わざわざ聞かなくていいじゃないですか。僕は、いつも電話とかメールで聞いてたんですけど。
高城:知り合いに聞いていたんだね。
堀江:そうです。この18人の人たちに聞いてたから、それをそのままデータベース化しただけなんですよ。それにアプリなんで、写真で見られたほうがいいじゃないですか。
高城:で、今後は海外版もやろうと思っているんだね。
堀江:海外版っていうか、各国に1つずつ「テリヤキ」がある感じ。だから「テリヤキ」っていう名前にしたんです。海外でも「テリヤキ」という言葉は伝わりますよね。普通に日本の美味しそうなイメージがあるし。日本発信っていうアイデンティティを持たせながら。次は、アメリカの東海岸でやりたいな、と思って準備しているんですけど。
高城:働いてるねぇ~。
堀江:でも、「テリヤキ」は別に、僕が欲しくて作ってるんで。絶対ミシュランよりいいですもん。僕はミシュラン見て行かないから。
高城:僕もミシュランは買ったことないな。
堀江:「ザガット」も「食べログ」もちょっと調子悪いでしょ。確かに、辞書的には使えますよ。「住所はどこだろう」とか、「何時までやってるんだろう」というのを調べるのには使えるんだけど「ここに何を食べにいこう」という感じではないじゃないですか。アプリだから写真ベースで見られるというのをやっています。
高城:そういえば、僕の場合はどうやってレストラン選んでるだろう?
堀江:誰か人に聞いてるんじゃないですか。
高城:そうかもれないねぇ。
堀江:まあフラッと入って当たることもあるんですけど。
高城:基本的にね、なんか面白そうだな~って勘かな。でも、今、東京だと最近は『81(エイティワン)』っていうとこがいいね。
要町にあるんだけど。要町のあたりには、変な店がいっぱいあるんだよ。『81』は、まだ出来て半年くらいなんだけど、ここ一年くらいの日本じゃ一番美味しいかな。要町でお店をやっている人は変わった人が多いんだよね。『81』も変わっている。店に入るとシャッターを下ろして軟禁されるんだよ(笑)。遅れたら入れないんだよ。15分くらいしか待ってくれない。
そういえば、僕の場合は、お店を見つけるのにシェフの流れを見てるかも。だって『81』も元々『エル・ブリ』で働いてたペルー人とメキシコ人と日本人でやってるから。調理場もスペイン語が飛び交ってる。面白い料理が多いよ。「これカルボナーラじゃないだろ!」っていうカルボナーラが出てくる。「麺がないじゃん」って。しかも、シェフ本人は、スペイン料理じゃなくて和食って言ってる。
堀江:「テリヤキ」は、注目のお店はだいたい載ってると思うけど……(『81』を調べる)。
高城:『81』は載ってる?
堀江:あ! あった!! すげーな「テリヤキ」。「テリヤキ」良くないですか?
高城:多分見ない(笑)。
堀江:そうじゃなくて、ちゃんといい店をおさえてるでしょって話ですよ(笑)。
高城:そうかも知んない(笑)。
堀江:だから、ちゃんとおさえてるんですって。一応そういう仮説で作ったんです。
高城:なんでこれ、僕ときめかないんだと思う?
堀江:それは多分、まあ、そういう ターゲットユーザーじゃないんです。
高城:僕さ、多分「圏外」の人なわけじゃん。昔の言葉でいうとアウトサイダー的なとこにいるわけ。だから常にそういう「圏外」の人に引かれるんだ。そこが心地いいんだろうね。
堀江:僕は、そういう人たちを集めて「テリヤキ」を作ってるんで、そういう人たちは「テリヤキ」は見ないですよ。見ないで先に行くんです。
高城:そりぁ、そうだ。
堀江:そうですよ。その人達のフォロワーさんが「テリヤキ」を見に来てるんですから。
高城:そうか。僕ね、どんな人が僕の本を買っていたり、メルマガを読んでるか気になるの。どんな服を着てたり、何を考えて来るのか、っていうのが気になる。
堀江:それのフィードバックはどうするんですか。それを感じて、何かをこうやるんですか?
高城:別に、楽しいじゃん。
堀江:それが楽しいんですか。
高城:楽しい。なんでシューズは、ニューバランスなんだろう? しかもグレーが多いんだろう? とか考えるよね。赤とか絶対履かないんだよな。ニューバランスは赤のほうが、絶対かっこいいのに。だから、人とは圧倒的に違うことはしたくないんだな。今風でちょっと違うことをしたいから、グレーのニューバランスを履くんだな、とか考えるの。
堀江:ちょっと違うことをしたいという人が多いんですよね。
高城:多分そう。でも、おしゃれで、今、何が流行で、次どっちの方向に行かなきゃいけないのか、ってことは理解してる。半歩先位のことまではついてこられるけど、10歩先はついてこれない。半歩先、一歩先くらいが多分一番心地いいんじゃないかな。だから僕がもうちょっとお客さんを減らそうと思ったり、質を上げたくなったら、3歩先か5歩先くらいの文章を書いたりすれば、お客さんは減って読者クオリティーが上がる。僕は質を上げたいんだよね。どう質を上げていくかが大事。質を上げて、適度に入れ替わってくれたほうが、面白くなる。だからどんどん「圏外」にいる人が入ってきて、質が上がっていくと楽しい。
堀江:高城さんはそういう方向性ですよね。でも僕は、マス方面を目指したい。
高城:僕がメッセージを送っているのは、超イノベーターだけなんだ。いわゆるマーケティングでいうとさ、イノベーターって言われているピラミッドの上位3%の人たちがいて、その3%の中の3%。これだと6000万くらいの労働人口からすると、だいたい3~4万人くらいしか残んないんだよ。でも、この人たちは社会的に影響力のある人たちなの。ここだけにものを言えればいい。今はそれで十分な時代だから。君が僕のメルマガを読んでくれているようにね。かつてはマスメディアがその役割を果たしていたけど、今はどんどん個人化していってるから、この3~4万人にだけに対して、ものをハッキリと言えれば、あとは勝手にその人たちが広げてくれるでしょ。それで僕は十分。マス志向は全くない。イノベーターだけに尖った話をした方が楽しい。
堀江:僕は、逆にそれにチャレンジしてみたいんですよ。
高城:あえてマス志向にいくということ?
堀江:そう。個人のメディアで。
高城:でも、ある程度マスを切っていかないと、面白くならないんじゃない? ブログに書ける話を1だとすると、メルマガに書ける話が5でさ。でも、実際には言えないことが100くらいあるわけじゃない。実際に多くの人は、僕が、今何をやってるかわかんないわけ。それでもさ、いっぱい色んな人達が集まってきたりしてさ、そんな楽しい時代は今まであり得なかったでしょ。でも、それは、マスとは違う、5歩くらい先に行っている人に対してもの作りを行ってるから。言ってもわかんないら、マスは切ってるってことだよね。だから成立するし、あたらしい。田舎のおばさんに、あたらしいなにかを伝えようと全く思ってないんだ。
堀江:僕はちょっと思ってるんですよね。田舎のおばさんにも伝えることが面白いな~と思っていて。
高城:そうなると、今は、極めてわかりやすくテレビ的なものにしていくしかないよね。
堀江:メルマガをやっているだけじゃ、ちょっとずつしか、その人たちに伝わっていかないじゃないですか。要は、僕のtwitterとかを見て、感じてくれている人は、もういいわけですよ。普通に本とかメルマガを出してわかってくれる人は、マスの周りにある程度いる。でも、それよりその周りにいる、全然そういうのをわかんない人たちに伝えることに、興味があるんですよ。
高城:それは、テレビだよね。
堀江:確かにテレビなんですけど、テレビだと、完全にホワッとして、ぼやっとしていて。「あーあの人好き」とか、「あの人なんかちょっとやだな」とか、それぐらいのホワっとしたイメージじゃないですか。それだけでフィルタリングしちゃうから、細木数子さんの占いとかを信じちゃったりするわけじゃないですか。
高城:テレビだからね。
堀江:そうテレビだから。でもテレビに出ては伝わらないんですよ。最近テレビの仕組みが何となくわかって、テレビは単純に好かれればいいんですよ。なんとなく、なんとなく好かれれば上手くいくんだって思った。ただなんとなく好かれる演出をちょっと考えてやっているんです。
高城:考えてるんだ! 凄い、テレビ出たほうがいいんじゃない(笑)。
堀江:仮釈放が終わったんで、今は、ダーーっとテレビへの出演機会が増えてるんで、今この時期に出てるんですよ。今は収録が進んでて、これからダーーっと出るんです。
高城:テレビで好感度を上げようと思っているの?
堀江:好感度を上げてみる実験をしていて。で、上げてみて、これがまた、ダーーーって売れていくのか、いかないのか、みたいなことをやろうとしてるんです。
高城:なるほどね。それでテレビに出てみようと。
堀江:もう一回、それをちょっと実験してやってみようと思ってます。
高城:それは「圏外」ではなく、いわゆる「圏内」だよね。
堀江:「圏内」です。
高城:「圏内」にどんどん行くってことだよね。多分、僕は絶対に逆で、どんどん「圏外」に向かってるんだよね。いる場所も仕事も、フェイスブックやTwitterをやらないことも。最近は、ほとんど電話も使わなくて、どんどん「圏外」に向かってんだよね。面白いね。
堀江:ですね。
高城:僕はどこに向かうんだろうね? 基本的には働くの好きじゃないし。だって週7回働けば1億円くらい稼げる人はそれなりにいるわけじゃない。頑張れば。でも、かつては絶対にできなかった、週3日働いて、5千万稼げるっていうモデルが今、可能な時代。そこだよね。年収5千万ありながら、週休4日っていうのが、近代社会では、素晴らしいバランスだと思うんだけど。だからロープロファイルな男になっていくっていうか。みんなハイプロファイルな男を目指してるわけでしょ。そうすると収入はあるけど、忙しくなっちゃって、しがらみが増えちゃうわけだから、そっちには行きたくないんだよね。いつも行っちゃいそうになって困ってんだけど。僕みたいに、ちょっと「圏外」に行くと、呼びに来たり、追いかけてくる人とかいるから、どうロープロファイルにするかを目指している。
堀江:僕もずっと「圏外」にいましたからね。2年間くらい。
高城:それは「圏外」っていても物理的にでしょ(笑)。自由度がないじゃない。それはちょっと違う。
堀江:自由度はないんですけど、まあでも実際にいたわけですよ。自由度がない「圏外」に。
高城:今は、それの反動かも知んないね。
堀江:反動ですよ。完全に反動です。今は反動です。これ完全に反動です。
高城:そうだよね。でもうっかりすると、テリー伊藤になっちゃうわけじゃん(笑)。そこを気をつけないと、つまんない人になって消費対象になっちゃうよ。
堀江:そうはならないですよ。
高城:いや、おばさんから見たら。
堀江:いいんですよ。おばさんから見たらテリー伊藤でもいいんですよ。
高城:いいんだ(笑)。おばさんから見たら一緒の枠になっちゃいそうじゃん。日曜日の朝に出てんじゃん。サンデーなんとかとかよくわかんないけど、なんだっけ?
堀江:サンデージャポン。
高城:サンデージャポンとか。そういうとこ出ちゃうんじゃないの。
まぐまぐ:実は、今日のテーマは、本来、2014年の働き方についてお聞きしたいということだったんですが……。
高城:働き方? 働かない。働かない(笑)。遊べ!いまこそ!
堀江:働くことについて、僕はよく聞かれるんですけど、世の中の人達は、自分で給料を配給みたいな感じでもらって、会社では「やだ、やだ」って満員電車に揺られて、まだまだみんな働いてるんですよ、毎日ダークスーツを着て。ネクタイを締めて。で、「疲れた疲れた」って言いながら、住宅ローンを払いながら、みんなチクチク働いてるわけですよ。そういうのを見てて、可哀想になってくるわけですよ。それはそれで、彼らの喜びなのかもしれないけど。
高城:やさしいねぇ~(笑)。ホント、君は優しい人だと思うよ。
堀江:糸井重里さんからは、おせっかいって言われましたけどね。「君はホントおせっかいな人だよねー」って言われたんだけど。
高城:堀江君は、やさしい人だよね。
堀江:雇用について、よく言われるわけですよ。僕なんかは、会社を経営していた頃は「IT業界は雇用創出できてない」って言われるわけですよ。確かに、その通りですよ。
高城:その通りだよ(笑)。だってオートメーションに向かってるわけだから、全員クビでしょ。トレーダーもスーパーコンピュータには、勝てないから。
堀江:だから「社会的意義がない」って言われたりするんですけど、それは止められないから。
高城:そういえば、この間デトロイトに行ったの。そしたらデトロイトって、既に市が財政破綻しているわけ。なんで破綻しているかっていうと、理由ははっきりしていて、1つは黒人の暴動があったから。日本から見るとさ、昔はデトロイトはアメ車の中心にあって、そこから日本車に持ってかれたって言うけど、それは一部。黒人の暴動があって、白人が逃げてしまったから、税制が追い付かなくなった。もう1つは、日本に持っていかれたんじゃなくて、オートメーション化が進んで、車を作るのに人がいらなくなったから。無人になったわけだよね。アマゾンの倉庫と一緒で。
世の中は、すでにそっちに向かっているわけ。全部無人に向かってる。だからIT業界が雇用を創出しないどころか、これからあらゆるものが無人に向かう。メルマガ読んでる若い人はわからないかもしれないけど、昔は、駅の改札には全部人がいたわけだよね。でも今はいないじゃん。電話をかければ交換手がいた時代もあったわけだよね。今はいないじゃん。どんどんオートメーションに向かってるわけだよね。
堀江:食糧生産もそうですからね。昔は世の中の90%以上の人が、食料生産に従事しないと、人間は生きていけなかったわけじゃないですか。今は多分、全人口の1%未満で食料作られてますよね。多分。
高城:そうやって作られた食材も、有名な寿司屋でさえ、実はロボットが握り桶みたいなもんで握ってるからね。人がいらなくなっちゃう。だから働き方を考えるんじゃなくて、これからどんどんロボット化している社会で、どう生きていくかってことを考えなきゃいけないんじゃないの。長期的に。
堀江:僕もそう思ってます。電化製品でもそうですよ。いわゆる家電っていうのは10年も20年も持つわけじゃないですか。LED電球になったら、10年以上持つわけじゃないですか。だんだん買い替えしなくてよくなっているわけですよね。僕も車も持たないし、家も持たないし、マンションすら借りてないし。そんな生き方は「それは堀江さんだからできるんでしょ」って凄い言われるんだけど、「そんなことはない」って思うんですよ。タダ同然で住めるシェアハウスもあるし、居候すればタダだし、飯なんか恵んでもらえればいくらでも恵んでくれる人はいるし。
そういう風に考えていくと、ミニマムな生き方っていうのは、できるわけですよ。それでいてすごく豊かなんで、情報なんか取りたければインターネット上に一生かけても処理できないくらい、たくさんの情報があるわけじゃないですか。みんな知らないのか、知ろうとしないのかわからないけど。ずーっとインターネットを見てたら、日が暮れちゃいますよ。
高城:そりゃそうだよ。日が暮れるっていうか、人生終わっちゃうよね。
堀江:一生終わっちゃいますよ。ネット上にある情報を見るだけで。
高城:みんな情報の奴隷化してるわけだよね。僕ね、今日ずっと「圏外」って言ってるけど、今は機械やロボットと人間が戦ってるわけじゃん。で、この後どうやって生きていくかっていうのは「圏外」に生きるしかない。「圏内」はだって全部ロボットに制御されるから。「圏外」に生きるしかない。
堀江:多くの人たちはそうなのかもしれないですね。僕は、いろんな職業や生き方を創出していけばいいかなって思ったんですよ。例えば、カジノとかでもそうなんだけど、カジノって、ディーラーとやってると面白いじゃないですか。パチンコ屋だと、パチンコのマシンを相手にずっと賭けてんだけど、カジノだとディーラー相手じゃないですか。凄い数のディーラーがいますよね。あれって、人と遊ぶのが楽しいからいるわけで、あれは完全に遊びじゃないですか。
高城:でも、カジノの売り上げの99%がロボットだよ。
堀江:まあスロットですよね。結局そうなんだ。
高城:結局そうだよ。カジノのディーラーは、会場のセットと一緒だから。ヒューマンな感じを出すためにいるのと、ハイローラーのためだけにいるんだから。
堀江:そっか、僕はハイローラーだからそうなのか。
高城:ハイローラーのためだけだよ。ハイローラーを楽しませるためにいるだけなんだ。だから、普通はどんどんロボットとの戦いになる。早めに「圏外」に移って、楽しく暮らして、たまに「圏内」にくると(笑)。
堀江:でも、僕は、オートメーション化で弾かれていく人たちは、どうなってしまうんだろう? と、思ってしまうんですよ。
高城:そういう人も早めに「圏外」に行ったほうがいいよ。早めに「圏外」に行って、おいしいコーヒーを飲んで、バーベキューしたほうがいいんじゃない? 早めに「圏外」をどう確保するかっていうのがいま大切だよね。今だったら安く確保できる。21世紀の黄金って多分「圏外」にいることじゃないから。
堀江:彼らはそうなのかもしれないな。「圏内」で戦える人たちって少ないですもんね。僕なんかは「圏内」で戦えるって思ってるから、どうにでもなるんですけど。「圏外」に行ってもいいし、行かなくてもいいし。
高城:そうそう。だからそうなんだよ。戦える人は別にどっちにいたっていい。
堀江:でも、戦えない人がほとんどですからね。
高城:そう。そういう人は早めに「圏外」に移動し居場所を確保しておかないと。
堀江:でも、彼らは一番「圏外」に行けない人なんですよ。一番最後に取り残される人なんですよ。僕が何を言ったって、絶対に自動車は手放さないし、家も手放さないし、生命保険も手放さないし、もっと言うと家族も手放さないし……そんな好きでもない家族なのに。いや確かに、好きな家族を持っているという人はいると思うんですけど。こういうと酷いと思われちゃうかもしれないけど、家族って僕はストックだと思うんですよね。20世紀型の家族っていうのはストックなわけですよ。みんな資産と思っているかもしれないけど、デッドストックなんですよ。
高城:だから家族も流動化したほうがいいってこと?
堀江:そうです。でも、一般の人は、本当に、家族で息子とか娘とか作って、老後は食わせてもらおうと思ってる人たちがいるわけですよ。本気でそう思っている。
高城:本気でっていうか、いっぱいいるんじゃない?
堀江:でもそれって、例えば「40歳ニート、家で寄生してます」っていう人もいっぱいいるじゃないですか。あれって完全にデッドストックですよね。
高城:誰にとって?
堀江:作った親というか。
高城:ファミリーにとってか。このままでいけばそうかもしれないけど。
堀江:そういうのを考えたときに、こう、その人たちがどうするのかなって。
高城:誰が? 誰を? えらいね~(笑)。本当に優しい。
堀江:優しいっていうのもあるんだろうけど。それによって社会不安が起きるんじゃないかっていうことも考えちゃう。
高城:社会不安?
堀江:その人たちが暴動を起こさないにしても……。
高城:でも基本、日本はまだまだ平和なわけじゃん? 平和だから社会が変わらないわけじゃない。これが段々と平和じゃなくなったら社会が変わるよ。ほっといても。アメリカとか、もうその直前じゃない。どこかで吹き出したりするわけじゃない。それが暴動になるのかわからない。違う形の選挙になるのか、社会システムそのものが不安定になるのかもしれない。まあ、アメリカは時間の問題だよね。
堀江:間違いない。
高城:完全にカウントダウン入ってるわけだから。日本もそうなるかもしれない。だってこのまま15年を経た時にどうなるかっていうことを、誰もが考えたほうがいいんじゃないの。僕は全員のことは考えられないけど、わかる人たちだけでも。何度も言うけど、全体の3%の3%にしか、僕は、5歩先のことをいつも言ってるので、それについてくる人たちだけをケアしていきたい。
堀江:その人たちは、まあ、うまくやるんじゃないですかね。
高城:でも、その人たちが、その次の人たちへ何かを言ってくわけで、その次の人たちも次へと言ってくわけだから。一部の人たちだけが上手くいってもしょうがないわけで、僕は少数の人たちに言うけど、言われた人は、その次の人たちに言ってくと思うんだよね。どこまでうまく伝わるかわからないけど、そうやって社会は成り立ってるから。何をはじめに言うかをしっかり考えるほうが大事。
堀江:要は、会社なんか行かなくても生きていけるし、別に働かなくても生きていけますよっていうことですよね。
高城:働かないで生きるためにはどうしたらいいですかって質問もあるけど。そこなんだよね。今まで選択が2つしかなかったんだよね。めちゃくちゃ働くか、失業するか。今はその間にも選択がいっぱいあるわけじゃん。ちょっと働いてて、けっこう稼げるようなものまで。
堀江:できないと思いこんでるだけだと思うんだけどね。でも、僕がおせっかいすると、怒られますからね。
高城:だから「圏外」に移れば(笑)。絶対生きていけるよ「圏外」で。早めに「圏外」に移れるかどうかだけだと思うけどな。それで「圏外」との往復が早い速度でできれば。
堀江:それが一番いいですけどね。
高城:「圏外」にいて「圏外」のルールでものを考える。だって、王様は裸だけど「圏内」では、それを言っちゃいけないことになってるじゃん。「王様は裸ですよ」って言ったら逮捕じゃない。だから「圏外」に移ればいいわけで、そのほうが楽しいんじゃない? 往復して暮らせば?
堀江:なかなか変わらないんですよ、見てると。僕の講演会に来てる人も言ってきますからね。
高城:それはまだ「圏内」にいて幸せだからだよ。「圏内」で色々と不満を言っている間は社会が変わらないんだよ。本当に困っていない間はただ不満を言うわけじゃん。
堀江:でも、本当は困っていない間にやったほうがいいじゃないですか。だから僕は困っていない間に言ってるつもりなんですよ。
高城:どんどんどんどん、それが困ってくるわけじゃない?
堀江:困ってきたら、もうにっちもさっちもいかなくなって、最終的にはそうなるんですけど。
高城:わかってる人が、どんどんそうやって「圏外」に行ったり、「圏外」と「圏内」を往復する生活をする人が増えるんだろうけど、動けない人はどんどん困って、困ってきた人が増えれば増えるほど、周囲を見て「圏外」と「圏内」を往復する人が増えるよね。徐々にそうなっていくんじゃないの。マーケティングのピラミット型に。
堀江:まあ僕はどっちにしろ、忙しい忙しいって言いながらやってますからね。往復を。
高城:「圏外」とね。
堀江:僕もパスポートも取ったし。さらに「圏外」も加速されるんですけどね。
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堀江貴文さん プロフィール
SNS株式会社ファウンダー 福岡県八女市出身。血液型A型。
自身のブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ」で独自の見解を展開中。著書に「徹底抗戦」「人生論」「希望論」など。TV、ラジオ、インターネット番組と幅広く活躍中。
高城剛さん プロフィール
1964年東京生まれ。映像作家・DJ。日大芸術学部在学中に「東京国際ビデオ・ビエンナーレ」でグランプリを受賞。総務省情報通信審議会専門委員などの要職を歴任。六本木ヒルズのコマーシャルやルイ・ヴィトンのためのジャパニメーションのプロデュースなど、多方面で活躍。