生き馬の目を抜く飲食業界で若くして成功を収めた、 「ロードサイドのハイエナ」こと井戸実。そして、独自の恋愛メソッド「恋愛工学」の提唱者として、 男性から絶大な支持を集める藤沢数希。人気メルマガ著者でもある両者による、まさにプレミアムな対談が、今回初めて実現! 仕事論、教育論、そして恋愛論……年代も近い二人による、まさに抱腹絶倒のクロストークを、ぜひともご覧あれ!
井戸さんが本気で雇いたいと思った芸能人
井戸:どうも、よろしくお願いします。
藤沢:お願いします。僕ね、今日はね、井戸さんから 会社経営のやり方を教えてもらおうと思って来たんですよ、どうやって人を雇って使うか、みたいな(笑)。いちおう会社経営者だからね、僕も。
井戸:あれ、メルマガとかって1人で書いてるの?手伝ってくれる人っていないの?
藤沢:まあ、校正とか、あと金融系のコンテンツはデータを作ってくれる人なんかはいるけど、文章は自分で全部書いてますね。
井戸:俺もメルマガはほぼ1人で書いてて、Wordかなんかにワァーって書きなぐるの。それをメルマガの体裁にする作業は、他の人に頼んでるんだけど。
藤沢:でも、Wordで書いたのを整えるなんて、せいぜい1、2時間ぐらいの仕事ですよ。こんなこと言ったら、それやってる人に怒られるかもしれないけど(笑)。
井戸: 堀江( 貴文) さんのメルマガって、編集担当のスタッフがいるじゃないですか。彼ぐらいの仕事をしてくれる人がいると、すごくラクなんです。時事ネタをいくつか挙げてくれて、それに対して堀江さんがコメントをするみたいな。
藤沢:堀江さん、移動時間なんかに、スマホでバシバシ書いてますよね。
井戸:そう。そのネタを振ってくれるだけでも、ずいぶんラクなんですよ。俺の場合は、まず「何書こうかな」って悩んでるから。冒頭のご挨拶なんか、あれって1000文字ぐらいだからみんなざっと読んでると思うけど、 内容を考えるのに実は4時間ぐらいかかってたりするの。
藤沢: 有料メルマガって、週刊誌を自分で作ってるようなもんですからね。というか、 電子週刊誌そのものだし。
井戸実氏
井戸:でもさ、出版社で週刊誌を作ってる編集長も、僕たちがメルマガで上げてる収益ほど、給料はもらえてないでしょ。
藤沢:そりゃぁ、サラリーマン編集長の年収とかとはぜんぜん違いますけどね。でも、取材するのも書くのも編集も、コアなところは、基本1人でやってるからね。僕は昔から、何でも全部1人で仕事しちゃうんですよね。 1人で仕事するのが得意なの。だから利益率も高くて、効率もすごくいいんだけど、ずっと忙しい、みたいな。
井戸:結局のところ、自分が動かなきゃいけないからね。
藤沢:そう。やっぱり自分で経験して自分が確かめたことを、自分の中で咀嚼して言葉にしていくから。それがやっぱり僕の文章のバリューなんですよ。だって、村上春樹さんの小説とか、ライターに書いてもらうわけにはいかないじゃないですか。
井戸:まあ、できないよね。
藤沢:やっぱり、人に頼めるタイプの仕事と、頼めないタイプの仕事があるから、それはそれでしょうがないっていう気はしてるんだけど。でも、一流の経営者とかを見てると、みんなちゃんとうまいこと、チームというか人を使って仕事を進めてるからね。こう、なんか人をやる気にさせて……。
井戸:……導いて(笑)。
藤沢:そうそう、導いてって感じで。井戸さんもうまいことやってるじゃないですか。そういうのを僕は聞きたいんですよね。今後、僕も会社を大きくしていくかもしれないし。
高卒のバイトの子も東大卒エリートも仕事の質は同じ?
井戸:俺の場合は、 基本的に自分でやりたくないんですよ。……こういうと語弊があるかもしれないけど、要するに 自分ができないことばかりなんで、 1人じゃなくてみんなでやってると。……藤沢さんからすれば、飲食店経営なんかしてる人たち見ると、バカにしか見えないでしょ?
藤沢:……いや、そんなことないですよ。
井戸:いやいやいや~(笑)。
藤沢:いや、本当に(笑)。……ていうか最近、思ってることがあってね。高学歴な人のコミュニティーって、高学歴な人しかいないんですよ。
井戸:はい、確かに。
藤沢:僕は大学で物理の研究してて、その後、外資系の金融機関なんかに就職してるからね、 東大卒の人とかがふつうのお兄ちゃんみたいな感覚で、会社に入ってくるんですよ。それで、もちろんみんながんばって働くから、やっぱりこういう会社は、高学歴な人がいっぱいいるから、こうやって仕事ができるんだな、と思ってたの。でも、自分がサラリーマン辞めて、街で出会ったふつうの女の子と仲良くなるじゃないですか。
井戸:はい(笑)。
藤沢:そんで、僕が忙しいときに、いろいろ仕事とか手伝ってもらったりしたら、 言われたことをそのままするぐらいなら、 高卒とか短大出の女の子も、 東大卒の男の子と同じぐらいちゃんと仕事できるんですよね。こっちがやることをちゃんと指示するとね。
井戸:なるほど。
藤沢: 飲食業界で成功する人も、 中卒とか高卒の人多いじゃないですか。
井戸:うん、多い。
藤沢:でも、当たり前だけど、会計とか法律とか、経営に関することは、しっかり分かってるじゃないですか。だから、別に学歴にかかわらず、学ぶ人は、自分で学ぶという、まあ、当たり前の話なんですけど。……むしろ大学とか出てる人のほうが、そういうビジネス関係のことって、全然分かってないことが多いような。
井戸:確かに、簿記とか、財務諸表の読み方なんて、学校では習わなかったな(笑)。
藤沢:むしろ、 高学歴な人のほうが、 実際の社会でビジネスをしていくための知識って、 抜け落ちてますよね。
井戸:不思議なことに。でも、実際に体験すりゃ、別にそれこそ中卒、高卒のヤンキーでも分かる話であってね。商売なんて。
藤沢数希氏
藤沢:そうなんですよね。だから、そういうのが必要になった人は、大学出の人も中卒の人も、会社に入った後に自分で勉強してるし。
井戸:そう。
藤沢:だから結局、 大半のビジネスで、 受験競争で勝つための訓練って、 直接は、 役に立たないのかなって、思いましたね。ここ5年ぐらいの間にね。
騒動後のショーンKを本気で雇おうとした!?
井戸:この5年ぐらいっていえば、この前ほら……誰だっけ、あの人。経歴詐称でテレビ界から消えちゃった人、いたじゃない?
藤沢: ショーンKさん?
井戸:そうそう(笑)。彼なんか、いい例でしょう?
藤沢:確かにいい例だね(笑)。
井戸:あんな澄ました顔で、分かったような知ったような口を聞いといて、実は 経歴は架空だったという……。
藤沢:ただね、ショーンKさんは、確かに経歴を詐称してましたけど、 彼ほどしゃべりが達者な人は滅多にいないですよ。相手に合わせてうまく相槌を打つとか、ナレーションとか、そういうスキルに関しては、まあ、1000人に1人とかの逸材ですよね、彼。それでいて、ふつうにビジネス関係の本を読んで理解するぐらいの、 10人に1人レベルの頭の良さも兼ね備えてるし、 努力家だしね。つまり 1万人に1人の人材。……たまたまちょっと、 大学には行かなかっただけでね。
井戸:そうだよね、彼、優秀だよね。
藤沢:だって、東大とか彼を特別セミナーとかで呼んで、教授とか学生がね、彼のグローバル経済に対するご高説を、「知の生態系」みたいな話をだよ、みんなでありがたく聞いていたわけだからね(笑)。
井戸:それ、 最高にウケるよね(笑)。俺ね、彼がテレビ界からいなくなったときに、 彼を本当に雇いたいって思っててね、 けっこう本気でコンタクト取ろうとしたのよ。
藤沢: IR担当とか?(笑)
井戸:海外行ったときのIR担当とかに最高だなぁ(笑)。
藤沢:あと、 企業参謀とか(笑)。
井戸:それも、いいなぁ(笑)。
藤沢さんが説く「日本式受験教育」の利
藤沢:今回のアメリカ進出が軌道に乗ったら、家族ごと引っ越したいってことだけど、井戸さんとこのお子さんって、小学生ですよね? それぐらいの年代から向こうに住めば、日本語も英語もできるようになりますよね。
井戸:そうだよね。うちは いい大学に入れたいとかあんまり考えてなくて。とりあえず英語ぐらいできるようにしておこう……っていう感じなんですよ。 日本語と英語ができて、 それでいて寿司が握れれば、 もうそれだけでいいよっていう話なんですよね、うちは。
藤沢:英語ができて、寿司が握れたら、まず、 食いっぱぐれないよね。
井戸:そうそう。
藤沢:あと、日本の大学入試でも、英語さえできれば受かっちゃうから、ほとんどの文系は。だって、 慶應とか早稲田とか上智大学とかでも、 英語1科目で受けられるからね。だから、帰国子女でちょっと英語さえできちゃえば、受かっちゃうんですよ。
井戸:でも、受かっちゃうのは受かっちゃうでいいと思うんですけど、問題は卒業したあとの話で……。
藤沢:確かにね。要するに、いい会社のサラリーマンになりたい人のためのキャリアパスなんですよね、受験、受験っていうのは。
井戸:そう。……でも、すごく頑張って、早稲田とかを卒業して、たとえば大手ビール会社に入って営業マンになるじゃないですか。で、 40歳ぐらいでようやく課長ぐらいになると。
藤沢:現実的な話ですね。
井戸:人気企業に入って、出世競争に勝った人たちでも、結局はそれぐらいじゃないですか。
藤沢: 受験勉強して、 会社で出世競争して、 ようやく40歳で年収1000万にいくかいかないかみたいな。
井戸:で、俺らのような居酒屋の社長かなんかにペコペコしなきゃいけないとか、どうかと思うんですよ。……もちろん俺は営業の人を超リスペクトしてるんで、絶対に横柄な対応はしないですけど。
藤沢:でも逆に、みんながみんな井戸さんみたいに飲食店を経営して、成功するわけじゃないですからね。
井戸:そうですね。でも逆に、飲食店ぐらいでも、こんだけ成功できるんだから、他にも何でも商売ってあるじゃないかって話ですよ。
藤沢:ただ、そうは言ってもね、子どもって自分で何か考えて行動に移すワケじゃないですから。多分、 95パーセントぐらいの子どもは、 親とかから何もプレッシャーを掛けられなかったら、 ただずっとYouTubeとか見てて、 家でゴロゴロして、 それでおしまいなんですよ。
井戸:まさに、うちの子どもがそんな感じだな(笑)。
藤沢:毎日YouTubeを見て、学校行って授業をポカーンと受けて、分かったような分からないような感じで帰って来て、それでまたYouTube見て、ポケモンしたりして……ていうのが、95パーセントぐらいの子ども。本人が自覚を持ってやりたいこととか探して、手に職を付けてくれればいいんだけど、たぶん100人のうちの95人ぐらいの子どもは、ただYouTubeをポカーンと見てるだけなんですよ。そう考えると、 塾とかに入れてプレッシャーを掛けて受験勉強させるっていうのも、確かにベストなものではないかもしれないけど、それはそれで 悪いことではないなって気はしますね。現実を見てると。
井戸:ただ、慶應や青山の初等部に入れて、そこから大学卒業まで行ったときの、要はコスト考えると……。
藤沢:小学校受験はまた、別の話ですけど。それに、コストといっても、年間100万円ぐらいだから、いうほど大したことないですよ。
井戸:いや、年間って授業料だけじゃなくて、入学費とか通学の交通費とか、そういう細かい話があるじゃん。大学卒業するまで。
藤沢:2000万円ぐらいかな。
井戸: 2000万ぐらい掛かるでしょう。
藤沢:でも、そうとはいえ、 日本はやっぱり、 受験勉強のためのいろんなインフラが整っているわけですよ。競争する環境とか、みんなで集まって勉強する環境とか。で、それ以外の道だと、全部親がお膳立てするか、子どもが自覚的に自分でやるか、どっちかしかないんですよ。 そっちのほうが、 ある意味大変なんですよ。受験勉強というゲームをする場所っていうのは、もう日本ではちゃんと作られているわけでね。塾とか模試とかね。競技人口が多いから、割りといいんですよね。
井戸:なるほどね。
井戸実氏
藤沢:そこにみんなが集まってやる。そういうとこに入れて、ペシペシとやってれば、ある程度は知識も付くし、英語とかもまあそれなりに身に付くし、それはそれで、楽でいいんじゃないかなって気はしますね。たぶん井戸さんなんかは、飲食店を経営したいってことで、いろんなことを自分で勉強してきたと思うんですよ。でも実際は、そういう人はほとんどいないんですよ。 みんなずっと1日10時間ぐらいYouTubeを見て、 そのまま20歳になりますから、 ふつうの子どもは。
藤沢が考える「中学受験」のメリット
藤沢:いや、井戸さんの家は別に、 英語ができる寿司職人というのがあるからいいと思うんです。でも、やっぱりほとんどの家庭では、受験というか、そういうインフラが整ってることをやらせたほうがいいんではないか、と。そうじゃなければ、本人にたまたま才能があってやる気もあることに賭けるか、親が頑張って導くかどっちしかないわけだから。
井戸:確かにね。俺自身は子どもの将来に対して、どちらかというと無関心なほうだと思うんですけど、いちおう何かしてあげられる環境にある以上は、最低限ぐらいのことはしてあげたいな、という気持ちもあって……。
藤沢:でも、日本で SAPIXとかに入れて、バリバリ受験とかはさせたくないですよね。
井戸:させたくない。なんか お揃いのリュックを背負って、 夏休みに電車で夏期講習とかに行ってる小学生とか見てると、 いつも大変だよなと思ってて。
藤沢:ちなみに、リュック背負ってるのは、 日能研ですけど。まあ、大変だけど、 SAPIXとかに入れて、 中学受験をちゃんと真面目にさせれば、12歳の時点で、ふつうの社会人レベルの日本語読解力とかはあるし、社会とか理科の常識はあるし、あと計算とかもめちゃめちゃ速くなってるから、そんな悪いもんじゃないんですけどね。でも、やっぱり、 大変すぎるというのもあるから、そういうのをやらせず、 アメリカに住むのはひとつの手ですよね。 とりあえず英語はできるようになるし。
井戸:そう。それだけでいい、うちは。
藤沢: 日本は英語できる人が少ないから、 英語の価値がすごく高いんですよ、まだまだ。
井戸:確かにそうなんですよね。今回のアメリカ行きのメンバーも、何人かはもう決まってるんだけど、この先、向こうで100軒とかやろうと思ったらねぇ……。
藤沢:日本で集めるとなると、グググッとパイが小さくなりますよね。英語がしゃべれる人って条件を付けると。
井戸:少ないわけだからね。
藤沢:日本人が100人いれば、そのうちの5人ぐらい。……5人いるかいないかじゃないですかね、英語がしゃべれる人は。
井戸:そこなんですよ。
藤沢:しかもその5人って、どっちかというと高学歴コミュニティーにいるから。
井戸:そうなんです。だから今、アメリカだけじゃなくって 世界的に見ても、 飲食店で働いている人たちの層って……下の階層って言ったら語弊あるんですけど、 それなりのステータスの人はやらないもんなんですよ。日本だと、まだ、大学卒業して新卒採用で入って来るじゃないですか、チェーン店でも居酒屋でも。そういう感覚が、向こうじゃ全然ないから。そうすると向こうで人材を募っても、来る人はそれこそアメリカに住んでるのに英語もできない、みたいな人たちになるわけですよ。さすがに日本で日本語できない人って、ほとんどいないじゃないですか。
藤沢:日本ってやっぱり 飲食店とかコンビニで働いてる人のレベルが、 すごく高いんですよ。
井戸:確かに、高い。
藤沢:アメリカとかでウエイトレスとか、コンビニとかで働いてる人たちって、すげえ愛想も悪いし。
井戸:そうそう。
藤沢数希氏
藤沢: 労働意欲もモラルもないと。それがふつうなんですよ。それが世界のふつうなんです。
井戸:それをやっぱり変えていかないと……ってことで、 日本から連れて行くってことになるんですけど。
日本は今後、どんどんニートが増えていく!?
藤沢:でも、それは すごいコストが掛かりますよね。
井戸:掛かります。でも、その分やっぱり向こうは 単価が取れるし。だから、日本でやるよりも、そっちのほうがいいかなと。日本でやってて年収400万、現場で働いてて年収400万ぐらいの人を連れてって、向こうで700万ぐらい取れるような感じにしたいんです。
藤沢:でも、そういうやる気があって英語もできる人を、これからリクルートするのは、ちょっと大変ですね……。 現地にいる日本人を雇ったらダメなんですか?
まぐまぐ:そもそも出店するのがニューヨークとかLAじゃないから、あんまり日本人の留学生なんかがいないってことなんですよね。
井戸:そう、 いないんですよ。だから、やっぱり日本人を最低でも1店舗につき3~4人は連れてって、ホールとか洗い場とか調理とかは現地スタッフでっていうふうにやんないと、運営や管理ができないんじゃないかと。でも、ふつうに考えたら、スタッフの立場としても、日本で働いてるよりかは、いろんな面でいいはずなんですけどね。
藤沢:でも、 日本って居心地いいですからね。
井戸:それって本当の居心地の良さなんですかね。俺のちょっとした知り合いで、寿司握ってる50代半ばのおっさんがいて、たまにここに来て飲んでくんだけど、すっかりやさぐれちゃって。「家族もいねえし」とか「この先何年握れるか分かんねえし」とか言ってて、本当に居心地いいのか、みたいな。
藤沢:だって、日本にいて、親の家に住んで、ポケモンをやったり、YouTube見たりしてれば、だいたいの人は 居心地いいと思います。
井戸: 何それ。 寂しいじゃん。
藤沢:バイトするぐらいで、牛丼食ってればいいし。
井戸:寂しいよ、そんな。
藤沢:寿司食いたかったら、スシローとか行けばいいんですよ。
井戸:それって居心地がいいんですか。
藤沢: そういうのが居心地いいって思ってる人、 最近めっちゃ多いですよ。日本人の男性は……。でね、さっきの話に戻るけど、日本の教育システムとかそういう受験とか塾とかって、確かにくだらない面もあるけど、じゃあ何もしなかったらどうなのかって言ったら、みんな快適なYouTubeライフを送るだけなんですよ。
井戸:YouTubeねぇ。
藤沢:そう。なんかふつうのよくわからん変なお兄さんが出てる、なんかそういう意味のよく分からないのを、ずっと見てるんですよ。分かりますか?
井戸:分かる、分かる。だって、 いまどきの子どもって、 なりたい職業がユーチューバ―なんでしょ。
藤沢:でも、 ユーチューバ―って、 全然面白くないじゃないですか。
井戸:面白くないねぇ。
藤沢:なんか忍者みたいな恰好した人が出てきて、マインクラフトなんかやりながらわけのわからないことをずっとしゃべってるんですよ。「きょうは実験します!」とか言って、コカコーラとペプシコーラ混ぜて飲んだり、 もうアホかと。まったくわけがわかんないんけど、 子どもたちはなんかすげえ楽しそうに見てると。でも、いまって、 大半の子どもはそんな感じですよ。そんな調子で大人になって、ずっと親の家に住んで……お金がなくなったらバイトして、みたいな。
井戸:親も裕福になっちゃってるからね。
藤沢:裕福っていうか、それこそ外食も安くなってるし、100円ショップとかあるし。
井戸:そうだよね。
藤沢:住宅も日本中で余ってるから、親のぼろっちい家に住んでいれば、家賃はかかんないわけじゃないですか。
井戸:確かに。
藤沢:それはもう、 快適なニートライフなんですよ。
井戸:でも、そんな快適なニートライフの人たちにスポットライトを当てたところで、次のステージには行けないじゃないですか。
藤沢:いいじゃないですか。それでずっと生きてけばいいわけだから。
井戸:いや、違う違う。ニートの快適ライフの話はどうでもよくって、俺たちとしては、頑張りたいって人たちを見つけていかないと、次のステージには行けないわけで……。
藤沢:でも、 がんばりたい人たち、 少ないですよね。やっぱり若者の100人のうち70人ぐらいは、親の家に住んで、YouTubeライフを続けてければいいやって、思ってるんじゃないですかね。 みんな、 童貞だしね。
……終始和やかな雰囲気のなかで実に様々な話題が飛び出した、今回の井戸×藤沢スペシャル対談。
ちなみにクロストークの場となったバー「SlowPlay」は、本格的なポーカーテーブルを備えた完全禁煙のお店で、オーナーである井戸さんも「東京にいる時のオアシス」と話すほどの居心地のよい空間。場所のほうも、六本木交差点から歩いてすぐの好立地ということで、対談をご覧になったみなさんも、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
井戸さん、藤沢さんどちらかの【2016年10月】のメルマガバックナンバーをご購入いただくと、納得と驚愕が交互に押し寄せる怒涛の対談全文を読むことができます。
◎ <ロードサイドのハイエナ> 井戸実のブラックメルマガ バックナンバー一覧
◎ 藤沢数希メールマガジン「週刊金融日記」 バックナンバー一覧
Photo by: Kotaro Minamiyama
井戸実さん プロフィール
神奈川県川崎市出身 1978年1月19日(33歳)川崎市で一番偏差値の低い工業高校を卒業後、寿司職人の修業を経て、数社の会社を渡り歩いて26歳で目黒区祐天寺に居酒屋を開業。2006年7月にステーキハンバーグ&サラダバーけんを開業し同年9月に㈱エムグラントフードサービスを設立。幾度とない倒産の危機を乗り越え、5期目の売上は165億円6期目は230億円を見込み。今期個人の年収は一般サラリーマンの生涯賃金ぐらい。
藤沢数希さん プロフィール
理論物理学、コンピューター・シミュレーションの分野で博士号取得。欧米の研究機関で教鞭を取った後、外資系投資銀行に転身。以後、マーケットの定量分析、経済予測、トレーディング業務などに従事。また、高度なリスクマネジメントの技法を恋愛に応用した『恋愛工学』の第一人者でもある。月間100万PVの人気ブログ『金融日記』の管理人。主な著書:『なぜ投資のプロはサルに負けるのか』(ダイヤモンド社、2006年、 http://t.co/P4vNFbwQ )『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』(ダイヤモンド社、2011年、 http://t.co/8MxcJqVY )『反原発の不都合な真実』(新潮社、2012年、 http://t.co/L2eM2wPI )
今までブログ、ツイッターなどで不特定多数の読者に情報発信をしてきました。しかし、そういったオープンなメディアでは書けないディープな話を書こうと思い、有料メルマガ『週刊金融日記』を創刊することにしました。
藤沢数希メールマガジン「週刊金融日記」
- 恋愛市場で一人勝ちする恋愛工学が学べる
- 安くて美味しくて雰囲気の良いお店紹介が読める
- 直接メールでメッセージや質問を送れる
- 発行日:毎週 日曜日
- 登録料:毎月864円(税込)