『真夏の怪談スペシャル』8月特別企画
今年もやって来ました、稲川さん肉声の恐怖の音声ファイル! 「新宿区落合木造アパート」「信州でのはなし」など、公演で観客を恐怖のどん底に落とした怪談の特別配信。節電の為にお部屋を暗くして、毎晩届く恐怖の音声に耳を澄ましてみてください。ほ~ら、あなたの後ろに……。まずはここからサンプルをどうぞ!
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夏本番、稲川さんの季節の到来です。
ありがとうございます。私、風物詩になりたいんですよ、夏の。だから普段はあまりテレビに顔を出したくないんです。
そんなわけで7年ほど前に、夏以外の季節はテレビに出るのをやめてしまったんですよ。だから今、テレビ見ている人が「お、稲川出てきたなぁ、夏だなぁ」なんて思ってくれたら最高です。冷やし中華みたいに季節限定のキワモノみたいになっていますが(笑)
そんな稲川さんがメルマガを始めた理由を教えてください。
私は新しいものにすごく興味があるんです。時代っていうのはそこから始まるんでね。メルマガがどこまで新しいかという議論はあるとしても、少なくとも今まで私が主戦場にしてきたテレビやラジオよりもずっと新しいメディアだと思うんです。
そういう新しいものがどんどん出てきて、ダメなものがどんどん淘汰されていくという今の時代はまさに戦時ですよね。だったら新しいものを知っておかないと。知ってなくっちゃ、やらなくちゃ。そんな理由でメルマガを始めました。
そしてもう一つ。そういう最新のメディアの中で、どれだけ自分の持っているものが受けるか、確かめてみたいっていうのがあったんです。そこに興味があるんですよね。生とはまた違う、メルマガというネットの世界で自分がどこまで受けるのか試してみたかったというね。
稲川さんが語り続ける“怪談の魅力”について教えてください。
例えばね、小泉八雲がヨーロッパ人に日本の怪談を紹介している文章があるんです。その中で彼が「あなたがたヨーロッパ人というのは世界の中心にあって、遠い東の果てにある日本という国を知らないと思うし、知っていたとしても野蛮な国だと思っていると思う。でも実は私の愛する日本という国は景色もすばらしいし水もきれいで、そこに住んでいる人は優秀で魅力的なんだ。取り立てていうならば、あなたたちが持っていない感性を持っている」。
ここなんですよ。外国人にはない感性を持つわれわれ日本人だけが楽しめるのが怪談なんです。向こうは即物的なんですよ。天使をご覧なさい。羽をつけているでしょう。飛ぶには羽が必要だからって、人に羽を生やしちゃう。ところが日本の天女は羽衣だけ。この感性。
怪談というのは、ただ怖いだけのものじゃないんです。もともとは“怪異譚(かいいたん)”といって、不思議な話、変な話の中に怖い話もあったんです。だから怪談っていうのは“怖・楽(こわたの)しい”んです。
外国のホラーは、どこか殺伐としてますよね。怖いだけで楽しさはない。それならば、日々起こっている事件を見ているのと同じです。事件も殺伐としていて怖いだけで、楽しさなんてないですよね。
そんなわけで、怪談の魅力とは、日本人の感性によって磨かれてきた“怖・楽しさ”を味わえる、ということでしょうか。
読者の方にこのメルマガをどんな風に読んでほしいと思われますか?
私は、現代の語り部としてメルマガを通して皆さんに怪談を伝えていきたいと思っています。単なるお話ではなく、そこに込められたメッセージ、日本人が忘れつつある心や、時には美徳なども気持ちを込めてお伝えしたいですね。そんなふうに、心をお届けするので、それを受け取っていただけたら嬉しいなと思っています。
稲川淳二さんプロフィール
桑沢デザイン研究所を経て工業デザイナー・タレント・怪談家として活動。
日本テレビ「ルックルック」・NHK大河ドラマ他、多くの番組に出演。
平成8年、通商産 業省選定グッドデザイン賞「車どめ」を受賞。
1993年から全国ツアーの怪談ライブを開催。
毎年全国20数か所で夏の定番イベントとして定着している。
そして、日本を代表するサマーフェスティバル「RISING SUN ROCK FESTIVAL」や「SUMMER SONIC」にも出演し大喝采を浴びている。