山崎和邦
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山崎和邦 週報『投機の流儀』

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山崎和邦
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山崎和邦 週報『投機の流儀』

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著者プロフィール

著者近況
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1.「始動点から大天井までの半値押しは14,809円」今年の年初来安値、的中!
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■ テクニカル指標では陰の極に近い。が、セリング・クライマックスは経
ていないように見える。鍋底型底値形成でもなさそうだ
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先週末の状態を要約するとこうであろう。高値から380円安で終わった相場
だ。3分の1押し(始動点から大天井までの3分の1押し)は切らなかった。

大天井から▼20%で下降相場に転換したとNYでは言い、120年間に23回あっ
たが、東証では16,761円に相当する。その少々上で9月29日も1月1日も止ま
ってはいる。

だが週末の相場の顔相は甚だ悪相である。300円高の時にも225銘柄で高いも
のは165だけ、TOPIXで高いのは1360銘柄しかない。また野村証券株とJPX株
がジリ貧傾向である。良くない象徴であることが多い。

新年早々から5日連続安は東証再開以来の戦後初めてのことだし、大統領選
の前年にNYが年足陰線はダウ平均創設以来120年間で初のことだ、とまでは
述べた。また、正月の著名20氏のアンケートが的中した年の翌年は1月から
大波乱があるとも述べた(72年の翌年と89年の翌年、そして2015年の翌年)。
50年間で2回の例で断定するなと言う声もあろうがジョン・テンプルトンの
「『今度は違う』が最も投資家に損させるセンテンスだ」を銘記しようとも
述べた。

済んだことはいいから今後はどうだ?

何度も言うが、大切なことは、市場はダイスやルーレットと違って一々独立
した事象として出るのではなく過去を記憶して連載ものとして動く、と言う
事実である。
 
週末現在、筆者が鈍感なのかもしれないが「コツンときた感じ」は筆者には
ない。

テクニカル指標では陰の極に近い。が、セリング・クライマックスは迎え
ていないように見える。12月1日から1ヶ月半で1,000円大台を4回割った
(20,012円~16,944円)。

下げ幅は「一人前」だが売買代金と取引高はこんな程度ではダメだ。もし、
自分が目いっぱい買っていて信用取引でも買いこんでいたと仮定したら、今
はぞぅっとして震え上がるか、と自問した時に未だそこまで行ってない気が
する。

「野も山も、人も我も弱気なら、たわけになりてコメを買うべし」の格言か
ら言えば、確かに、「野も山も」暗い環境だが、「人」は弱気でなく、正月
早々、野村の永井社長がポジショントークだろうが2万2千円と言っていたし、
肝心の「我も」は「陰の極に近いとは思うが震え上がるとき」ではない。

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■ だが、テクニカル指標で言えば「陰の極」ではある
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1) 騰落レシオは62%台
2) 25日線との乖離率は8.2%
3) カラ売り比率は41%台
4) 昨年9月末も今回1月14日も大天井からの3分の1押しで止まっている
5) ファンダメンタルでも週末現在の225銘柄のPERは14.3倍

PERは時の外部状況や価値観によって14倍でもいいし60倍も良しとされた。
(平成バブルのころは60倍台で良しとされていたし、それを正当化する理屈
も天下にまかり通っていた。めったに「評論家」を信じない筆者もそれを信
じた)。

だが(1)~(3)は自然現象に近い、相場と言うヒトより賢い生き物がとった生
理現象の結果である。生き物だから時々行きすぎる。これが稀にバカをやっ
て行き過ぎれば必ず自律作用として修正運動が起きる。「自律反騰」と言わ
れるものであり、「上げにマグレの上げあり」の一種を為す場合である。

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■ では株価のメドはどうか?
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この相場の始動点8,665円(12年11月14日、衆院解散決定日)から15年6月22
日20,952円までの、3分の1押しは、正確には16,857円。

大天井から▼20%は16,761円(NYでは120年間に23回、下降王相場に転換し
たと言われるレベル)。

昨年9月29日、16,901円。

今年1月14日、16,944円。

ここで止まれば「▼20%は避け得て、3分の1押しを堅持した形のいい毛抜
き底(Wボトム)の形成だ」となるが、その可能性は少ない(03年~07年の
小泉内閣相場では青春期相場が終わって1年余も保合が続き何度も下値を試
しに行ったが決して3分の1押しを割らなかった。あの当時のように下値を
5,6回も試せば確信持って言えるが)。

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■ では、これを下に突破されればどうか?
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14年10月末の黒田バズーカ砲2弾のあとの10月の窓埋めが16,538円。

それを下に突破されれば黒田2の直後の大きな窓を埋める15,701円。

それを下に突破されれば始動点から大天井までの半値押しは14,809円。

となる。

今、手を空けてキャッシュポジションを高めて買い場を探している聡明な投
資家にとって理想的なのは、この半値押しであろう。そこで「一旦大天井を
突いた相場は故郷へ帰る相場だ(故郷とは始動点の8,665円を指す)」とか
「半値押しは全値押し」という根拠のない格言(格言と言うより警句であ
る)が流行ったら、断固、買い場であろう。が、その頃になると買いたくな
くなるものである。

そこで自己超越の自律が要る。だが、相場は聡明な投資家の思い通りにもな
らないという意地悪な生き物である。ということは半値押しまではない、と
いえるであろう。

見通しとか通念というものは普通は明るく安定感があって夢のあるものでな
いと流行らない。筆者はそれを承知で嫌われることでも平気で述べてきた。
悪しからずご了承賜りたい。

だが、流行った通念というものは居心地がよくて分かり易いが実現しにくい。

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2016/1/17発行 vol.189より抜粋
2.「18,000円は究極の戻り限界」株価の見通し、的中!
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■ 当面の市況
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2日(水)に、上値抵抗線となっていた25日線を上回って下値不安が漸く薄れた。
中間反騰相場に入った。窓も埋めた。

昨年6月の大天井とその半値押しとの落差の3分の1戻りは3日に達成した。

下げ幅は(20,952円-14,866円=6,086円)だから、6,086/3=2,028円
12日安値14,866円+2,028円=16,894円
≒16,960円(3月3日)。

2007年の夏、サブプライム破綻の暴落のあと、2008年3月~6月の20%の中間反
騰があった。

昨年9月から12月1日までも18%高の中間反騰。

これに倣って12日の14,868円から20%の中間反騰とすれば17,893円となり、こ
れが2月1日の17,905円に符合する。その前に17,684円の窓埋めを果たさねば
ならない。

ここから上は支援材料がなければ進めない。

今年に入って海外勢の売り越しが年換算で18兆円超である。これは史上最高
の海外買い越し額が14年の15兆円だったことと比較すると膨大な売り越しで
ある。海外買い越しの力で始動点8,665円~20,952円を示現した。

よって、その分が逆の力となっているのだから、(1) 今後の上昇はあくまで中
間反騰であること、(2) この中間反騰の主力は売り方の主導(「踏み上げ相
場」)であること、これを銘記しておおきたい。欧米投資家から見れば、「円安傾
向が止まって日本株に割安感が薄れたこと」、オイルマネーから見れば「背に
腹は替えられないから換金売りをする」というところであろう。突っ込みを冷
静に拾うのはシタタカな国内個人投資家であるが彼らは上値は追わない。衝
動買い的に上値を買う投資家にはそれ以上を買い上げる力はない。

25日線の上で値がため出来るか否かである。それが出来れば、次の因縁場は
17,000円前後となる。この辺には3月3日付の日経新聞21頁に整理されている
通り数々の因縁場に相当する。50日線も横たわるし年金買いもこの急速な上
昇場面は買えないだろう。これを突破して7月選挙に備えて財政出動させて
直ちに効かせるような事がなければ18,000円は究極の戻り限界であろう。

一方、25日線を抜いた2日のカラ売り比率は今年最低の36%台に落ちたが、
昨年平均34%よりは高い。


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2016/3/6発行 vol.196より抜粋
3.いち早く、英国EU離脱のリスクを指摘!
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■ 英国EU離脱のリスクを要約するとこうなるだろう
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英政府の試算によれば英国がEU離脱すれば景気後退し経済規模は3.6%縮小
するという。今のところ、EU残留派がやや優勢だが離脱派との差は小さい。
若年層は残留支持多い。世論調査によると残留47%、離脱40%となっている。
(英フィナンシャル・タイムズ調査)。

但し、残留の是非を問う国民投票をめぐっての不透明感が経済活動を慎重に
している。この動きが加速すれば英国景気減速感が強まろう。 

日本で3Kと言われる景気敏感経費(広告・交際費・交通費)のうち、英国で
広告宣伝費は大幅に落ち込んで4月は前年同月比▼13%だという。(英民放
大手)。

離脱派が多数を占めたら不動産需要が落ち込むとして英不動産最大手会社は
この半年内で1700億円の不動産を売却したという。新規公開を見合わせる会
社も出始めたという。ロンドン証券取引所の総会もドイツ取引所との経営統
合の判断をEU残留是非の6月投票の結果を見てから7月にしたいという。

だが、少なくも日米の株価は「英国離脱はない」という動きをとっている。

市場は意外に何でも知っているという。しからば離脱はないのであろうか。
或いは、離脱を織り込んでないからこそ、万一離脱と決まったら金融市場の
神経機能は激動するのであろうか。それは、市場の動きから窺い知る以外に
ない。


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2016/5/29発行 vol.208より抜粋
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